命の時間
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分間しか、時間を戻すことができなかったのである。
(私の・・・命の代価が・・・一分だけ・・・!?そんな・・・)
絶望を胸に、ゆっくりと崩れ落ちていくウルティア。
(私は誰一人として救えなかった・・・)
命の限りを尽くし、世界の人々を守ろうとしたウルティア。禁断の魔法を使った彼女はついに力尽き、地面に伏し、動かなくなってしまった。
「危ねぇ!!」
メルディとジュビアを押し倒すグレイ。そのお陰で、彼女たちは間一髪のところで小型のレーザーから逃れることができた。
「ボーッとするな!!戦場だぞ!!」
「ごめん」
彼女たちに攻撃を仕掛けた小型たちを凍り漬けにしながら注意するリオン。それに対してメルディは立ち上がりながら謝罪する。だが、その隣に倒されたジュビアは、お尻を擦りながらなかなか起き上がってこない。
「あああ・・・グレイ様がジュビアのお尻を・・・」
顔を真っ赤にして想い人に触られたお尻を撫でているジュビア。
「ジュビア・・・!!」
「!!」
そんなジュビアにグレイが何かを言おうと話しかけた。だが、その言葉は突如頭によぎったある映像によって遮られてしまう。それは、グレイが左胸を貫かれるというものだった。
「なんだ今の・・・」
「俺が・・・殺される?」
リオンとグレイは共に同じ情景が頭を過ったことで、意味がわからずに顔を見合わせていた。
「夢?」
「ジュビアも見ました」
「なんだよ突然!!自分が死ぬ幻覚とか不気味すぎんぞ!!」
あり得ないと思いたい場面に声を張り上げるグレイ。彼の近くにいるメルディが、その映像の中で彼にレーザーを放った小型が現れた場所を指さす。
「あの辺りから小型が現れて・・・」
全員がそちらに視線を向ける。すると、まるで図ったかのようにレーザーを口に溜めた状態の小型たちが現れたのだ。
「本当に来やがった!!」
「はぁ!!」
予想だにしなかった展開に驚きつつも、リオンとグレイは腕を振るってそれらすべてを凍てつかせる。
「一体どうなってるんだ!?」
「誰かが教えてくれたのか?一体・・・誰が・・・」
意味がわからないまま、戦いへと戻っていく四人の魔導士たち。彼らを助けたのは、時を戻す魔法『ラストエイジス』をウルティアが使用したことにより、本来なるはずだった未来が彼らの“記憶”として残留した結果だったのだ。だが、それを知るものは今、誰もいない。
シリルside
「ウェンディ!!」
「シリル!!」
「いかん!!」
「避けて!!」
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