第十二幕その九
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「そこで皆でね」
「バスケットですね」
「勿論ジュリア達も呼んでね」
「そしてですね」
「運動をしてお腹を空かせたらどうかしら」
「バスケットなら」
ここで、です。ふと。
恵梨香は四人を見回してです、こう言いました。
「皆も好きだし」
「うん、バスケットならね」
「僕達皆好きだし」
「いいね、走って身体も動かして」
「お腹も空くわね」
「そうよね、それにトロットさんも」
「ええ、私達もよ」
トロットも笑顔で応えます。
「皆バスケが好きよ」
「それじゃあ」
「すぐに服を着てね」
バスケットボールの服をです。
「それで体育館でしましょう」
「オズマ姫も来られますか」
「ええ、あの娘も今は午前中でお仕事が終わったから」
それでというのです。
「時間があるわ」
「それじゃあ」
「楽しく運動をしてね」
そしてというのです。
「楽しく遊びましょう」
「それじゃあ」
こうしてでした、恵梨香達も楽しく汗をかいてそうしてお腹を空かせました。それが終わってからはまたお風呂に入ってです。
すっきりとして晩御飯を待つのでした、その時に。
恵梨香はお茶を飲んでいる時についつい傍にあったクッキーに手を伸ばしそうになったのを止めてでした。
そのうえで、です。傍に寝そべっている腹ペコタイガーに言いました。
「危なかったわ」
「うん、食べたらね」
「その分だけね」
「お腹が膨れてね」
「カレーの美味しさが減るわね」
「そうなっていたよ、僕もね」
腹ペコタイガーもというのです。
「今は我慢しているんだ」
「お腹を出来るだけ空かして」
「晩御飯に備えているんだ」
そのカレーにというのです。
「最高のカレーを最高の状態で食べる為に」
「だからなのよね」
「いや、本当にね」
それこそというのです。
「今僕は何でも食べたいよ」
「貴方の場合余計によね」
「そうなっているけれど」
それでもというのです。
「必死に我慢しているんだ」
「何かそれってね」
そのお話を聞いて言う恵梨香でした。
「相当辛そうね」
「何しろ僕は腹ペコタイガーだからね」
「他の誰よりもお腹が空くから」
「そう、だからね」
まさにそれが為にというのです。
「今辛くて仕方ないよ」
「拷問みたいかしら」
「実際にそうだよ」
拷問だというのです、彼にとっては。
「目が回りそうだよ」
「そうよね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「辛いよ、けれどね」
「我慢をしてるのね」
「晩御飯の為にね」
「拷問みたいね」
「これ以上はないまでにね」
腹ペコタイガーにとってはです。
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