前編
4.初戦
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いうものの、実際に使ってみると意外とみんなの評判がいい。むしろこのままバーバーちょもらんまのトレードマークにしてもいいんじゃないか……しばらく使い続けた頃、俺はそんなことを考え始めていた。
「……と思うんだが、北上どう思う?」
「まぁー球磨姉が調子に乗るのは目に見えてるね」
あの屈辱の敗戦から数日経った頃、客として来店した北上の髪の毛先を整えながら、球磨の似顔絵をトレードマークにするアイデアを相談していた。
「調子にはもう乗ってるんだよ。見てみろよ俺のシザーバック」
北上に俺のシザーバッグを見せてやる。あの日球磨によって落書きされたシザーバッグは、俺の目の届かないところで球磨に落書きされ続けているらしい。一人、また一人と落書きされている人数が増えている。
「ぁあ、増えてるね。描いてもらってるの?」
「いや、ヤツが勝手に俺の断りなく進めてるだけだ。鎮守府のみんなを描いてるみたいだな。この子は北上だろう」
俺はいつの間にか増殖していた落書きの中から、北上と思しきおさげの子の絵を指さした。それを見る北上の頭にはてなマークが浮かんでいるように見えるのは、気のせいではないだろう。
「え? そうなの? 似てないでしょー」
「あいつからしてみれば北上はこんな風に見えているんだと思うぞ」
「ふーん……球磨姉の絵が何なのか分かるのかー。ふーん……」
「なんだその意味深でツッコんで下さいと言わんばかりの顔は?」
「別に〜。ニヤニヤ」
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