プロローグ
前書き
月岡優人は普通だ。
何処にでもいるような普通で平凡な高校生。別に成績が悪い訳でも無く、毎回テストでは中間をキープしている。足の速さ、偏差値なども全て平均に近い。取り柄と言えば………普通でいる事だ。
しかし、一つだけ違う所がある。これは恐らく世界中の73億人の誰も持っていない筈だ。その違う所とは…
「おかわり…。」
「はいよ。そんなに美味いか?俺の料理。」
「勿論…。鉱物より何倍も美味しい…。」
「ははは…。そうか。」
変わった人外の生物が家に居候している所だ。
ーーーーーーーーーー
あれは今から一ヶ月前だ。優人はいつものように家から歩いて5分の海に釣りをしに行った。天気は晴れ、絶好の釣り日和だった。
「今日は何が釣れるかな〜。」
海面に釣り糸を垂らした。すると、すぐに当たりがきた。
「よっしゃ!来た!」
釣り竿を引く。釣り竿がしなり、確実に魚を引き寄せている。しかし魚も負けてはいない。動き回り逃げようとする。しし、口にしっかりと引っかかった針は簡単には取れない。
「オラぁ!」
海面から飛び出て来たのはイサキだった。オリーブがかかった褐色の体色。何回も見てきたその姿はしっかりと目に焼き付いている。
「よし!今日の晩飯はイサキのフライだな!」
釣ったばかりのイサキをクーラーボックスに入れる。50cm近いイサキを釣ったのに満足感が湧いた。優人はさっさと釣り道具を片付ける。
「帰るか…ん?」
優人はとある事に気が付いた。海面に何かが浮かんでいる。それは大部分は紅く、所により白い所があった。それが何か戸惑ったが、すぐに答えが出た。
「女の人だっ!!」
優人は海に飛び込んだ。今の時期は水温がとても低く、長い時間浸かっていると危険だ。浮かんでいる女性の元まで泳ぐ。水を吸った衣類が重いが、そんな事は今はどうだっていい。
「しっかりしろ!」
女性の元まで来ると、優人は声を掛けた。返事は無く、女性はぐったりしている。女性を急いで浜まで引いていく。
「はぁ…はぁ…。」
ようやく浜に着いた。女性に上着をかける。勿論濡れてない、バックに入っていた予備のだ。女性の顔を見てみる。透き通るような白い肌、とても長い白髪。街中を歩いていたら確実にナンパされそうな程の美少女だった。
「ん…。」
見惚れていると小さな呻き声が聴こえた。女性の息が戻ったらしい。
「大丈夫か!?」
「あれ…?ここは…?」
「お前、溺れてたんだ。何でだ?」
「貴方は…人間…?」
「当たり前だろ?正真正銘、純正のヒューマンだよ。」
女性はまるで自分が人間では無いy「私…人間じゃない…」
「え ?」
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