第三章
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二人は仕事を続けていた、周りから低い評価を受けながらもだった。
二人が仕事をしている時にだ、あってはならないことが起こった。全ての自衛官がその出来事を前にして身構えた。
「またか」
「また起こってしまったな」
「今度は尋常じゃないぞ」
「これまで以上にな」
「大変だぞ」
「すぐに出動命令がかかるな」
こう言って身構えた、そして実際にだった。
陸海空全ての自衛隊、特に陸上自衛隊にだった。
災害救助への出動命令が下った、それでだった。
多くの自衛官が被災地に向かった、その中には矢田と森下もいた。
二人も出動したのを見てだ、皆こう言った。
「矢田二尉と森下三尉も行くのか」
「大丈夫か?あの二人も言って」
「あの二人はな」
「出来ないからな」
「出来る奴だけ行けばいいのにな」
「まあ上の命令だからな」
「仕方ないか」
階級が下の者達もだ、陰で言うのだった。
「何しろどれだけの人が死んだかわからない状況だからな」
「被災した人も多いしな」
「今は少しでも人手が必要だしな」
「動ける人間ならな」
それこそというのだ。
「必要だからな」
「もう猫も杓子も欲しい」
「猫の手だってな」
「だからか」
「人が必要だからだな」
「二人も行くんだな」
「使えなくても」
こうした話をしていた、当然二人の耳にも入っていたが二人は何も言わなかった。そうして彼等も被災地に向かった。
そうして災害救助にあたることになった、だが。
誰もがだ、被災地を見て唖然となった。
「話は聞いていたが」
「テレビでも状況見たが」
「これは酷いな」
「実際に見るとな」
「酷いな」
「思っていた以上にな」
「本当にな」
こう言うのだった。
「早く何とかしないと」
「救助活動にあたるぞ」
「各国からの救援物資も来ているが」
「ボランティアも続々来ているけれどな」
「俺達も動くぞ」
「すぐに」
こう話してだ、実際にすぐにだった。
自衛隊も救助活動にあたった、被災している人達を救助して被災者の人達に物資を届け仮設住宅を急いで建設してだった。
災害救助にあたった、そうして。
必死に働いた、そしてそれはだった。
矢田と森下も同じだった、二人もまた。
部下達を指揮して自らも動いて救助活動にあたっていた。その中で。
二人は部下達が寝てからもだ、黙々と仕事をしていた。
執務用のテントの灯りが点っているのを見てだ、士つまり兵士達が話した。
「二人で夜何してるんだ?」
「浮気じゃないよな」
「いや、それはないな」
「二人共そんなことするタイプじゃないな」
不倫の可能性はすぐに否定された。
「二尉も三尉もな」
「まして灯り点けてそうしたことする奴もいないな」
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