第五十四話
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ね。
将として開花し始めている、そう軍神に評価される小十郎は、やはり今まで武人の気質が高かったことを遠巻きに言われている。
確かにポジションは軍師だったけれども、そっちの方の気質は高かった。あの子自信、腹に厄介なもんを抱えてるしね。
ここがターニングポイントであるのは確かかもしれない。
武人の気質はともかくとしても……やっぱり小十郎の動きが鈍い。そろそろ決着が着く頃合いかも。
「モブ……じゃなかった、雑魚は任せた!」
「はい!!」
戦う二人に向けて駆け出したところで、小十郎の剣が大きく空振った。
「しまっ……」
「さらばです、りゅうのみぎめ!」
ストーリーではここでかすがが“火急の知らせ”を持って現れるはずなんだけど……
そういや、さっきその知らせを持ってくる前に撤退させちゃったから、止めに入らないとヤバいかもしれない。
小十郎に軍神の刃が届く前に割って入って、刃を身体で受け止めた。
小十郎を蹴り飛ばしてその場に倒したおかげで、ガードをする暇が無くて思いきり肩を貫かれてる。
刃が貫通して痛みよりも熱さに眩暈すら覚えている。
「……っ!!」
「姉上!!」
軍神が私の身体から刀を抜く前に、素早く刀を構えた。
やられたのは左、聞き手じゃないから助かったよ。右手さえ使えてりゃまだ何とか出来る。
見様見真似で放った穿月を、軍神は刀を放して飛び退いた。
それを見て、小十郎が素早く身体を起こし、私の肩を貫く軍神の刀に手を掛ける。
「姉上、御辛抱を」
「……勢いよくやっちゃって。ゆっくりやられると痛いから」
小十郎が私の身体から刃を抜き、その痛みに膝を突きそうになる。
咄嗟に小十郎が身体を支えてくれたけど、怪我の度合いは私よりも小十郎の方が酷い。
この子の負担になるから支えてもらうわけにはいかない。
私は小十郎から離れて、自力で立った。腕を伝って血が滴っているが、気にしている余裕は無い。
「……もうひとつのりゅうのみぎめ、こうしてまみえるのははじめてですね」
「お初にお目にかかります、上杉殿。伊達軍片倉景継と申します」
暢気に挨拶なんか交わしてる場合じゃないんだけどもさ、でも時間稼ぎはしたいところだ。
かすがが火急の知らせを持ってくるまでは。
とりあえず刀は奪っているから、取りに来れない様に自分の近くに置いておく。
慣れない獲物で戦うのは今の状況だとちょっと辛い。
「けいじをおくりだしてくれたこと、れいをいいますよ」
「……あんな状態で戦場に立たせるなんてどういうつもりかと思ったけど、
踏ん切りをつけさせる為と解釈して良いのかしら」
「そればかりではありませんが……す
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