第五十四話
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て皆で大笑いするから余計に小十郎が戦えない。
軽く怒っているような素振りを見せるが、簡単に切り抜けて私達に怒鳴り込みに来れるほどかすがは弱くない。
「あー!! 喧しい!!」
小十郎が大きく刀を振るって強引なまでにかすがに間合いを取らせる。
そして、即座に自分の羽織を抜いでかすがに羽織らせている。
この思わぬ行動に目を丸くするのはかすがで、一体何をしているのか分からないって顔をしている。
「女が堂々とそんな恰好するんじゃねぇ!……そういうのは、惚れた男の前でだけしてやれ」
おおっ、小十郎の男が上がった! つか、後半のは絶対いらなかった!
それ、地味にむっつりですってアピールしてるようなもんだからさ。
てか、小十郎は夕ちゃんがああいう恰好をしたら喜ぶんだろうか。
よし、小十郎に第二衣装と一緒にアレもプレゼントしてみよう。
「小十郎、後半は『惚れた男が悲しむだろ』の方がベター。まぁ、こっちからすれば眼福ではあるけどね」
そう突っ込んでやれば、かすがが羽織でしっかりと胸をガードして私達から遠ざかっている。
あの羽織、構造的に前を閉められるようにはなってないんだけど、
小十郎のガタイならかすがの身体を隠すには十分過ぎるほどゆとりがある。
「そ、そういう目で私を見るな!!」
「いや、だって無理っしょ。あんなに見てくれって感じにばっくり開いてたら、
見るしかねぇよなぁ? でしょ? 景継様」
「その通り! 皆、当分あんなの見れないからしっかり見ておきなよ!」
「はい!」
こんな時ばっかり喜んで皆声を合わせてくれるから困ったもんだ。
皆、遠慮なく嘗め回すようにかすがを見てるもんだから、かすがは涙目になってる。
「くっ……! ひ、退いてやることを感謝するんだな!!」
半分泣きながらいなくなってしまったかすがを見送り、私はにやりと笑った。
小十郎も私の表情を見て、何かに気付いたようで呆れたように溜息を吐く。
「……端からこれを狙っておりましたか」
「うん、半分くらいは。いやぁ〜、でも小十郎がきっかけ作ってくれるとは思ってもみなかったわ。
アンタ、私がいない間に男上げたわねぇ。流石、恋する男は違うわ」
なんて言ったら小十郎に結構な勢いで怒られました。
でも、赤い顔して怒られても、ぶっちゃけねぇ……怖くないというか迫力がないというか。
兵達だってあんまり怖がってないしさぁ。
とりあえず適当に小十郎を宥めて、おそらく山頂に出現したと思われる軍神戦に持ち込む事にした。
宝塚張りに登場した軍神の相手を小十郎に任せ、周りのモブを倒しておく。
いつ勝敗がついてもいいように、飛び込めるだけの準備はしているけれども
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