第二章
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「御主は盟主じゃからな」
「だからですか」
「神々の盟主の証を授けよう」
「あの天命のですか」
「天命の刻印をじゃ」
まさにそれをというのだ。
「授けよう」
「私にですか」
「御主はそれを持て」
そしてと言うのだった。
「持っていればよい」
「それだけで、ですか」
「先程も言ったが全てはわらわが動かす」
「では私はですね」
「おれ」
盟主の座にというのだ。
「それだけでよい」
「左様ですか」
「わらわは盟主にはなれぬからな」
それでと言ってだ、そのうえで。
ティアマトはキングーを神々の盟主の座に据えさせた、天命の刻印を授けてだ。しかし彼はただそこにいるだけで。
全てはティアマトが動かしていた、彼女は十一の魔物を生み出してそのうえで自らもその巨体をドラゴンの様に変えてだった。
エア達に戦いを挑んだ、だが。
キングーもまた軍勢を率いて戦いの場に赴いた、刻印を胸に持ち。
その彼を見てだ、マルドゥクはその四つの目のある顔で言った。
「御主が盟主か」
「そ、そうだ」
風を周りに持つマルドゥクにだ、キングーは怯えている顔で答えた。
「私がだ」
「わかった、ではだ」
「それではか」
「御主を倒す」
マルドゥクは高らかに告げた。
「さあ、覚悟はいいか」
「覚悟とは」
「決まっている、倒すということだ」
キングーをというのだ。
「そういうことだ」
「そ、それは」
「では今からそちらに行く」
こう言ってだ、実際にだった。
マルドゥクはキングーの軍勢を薙ぎ倒しつつ彼のところに来た、それを見てだった。
キングーは慌てふためいて逃げ出した、自分だけで。それを見て彼の軍勢も壊走してしまったのだった。そして。
ティアマトがだ、遂にだった。
出てだ、そして。
マルドゥクに挑発されて怒って出たところを風を口の中に入れられて。
膨らんだ腹に矢を射られて倒された、その後でだった。
ティアマトが率いていた神々もその軍勢も捕らえられた、殆どの者は咎められずマルドゥクを主と認めることで許されたが。
キングーだけは両肩を左右から屈強な神々に抑えられてだ、そして。
マルドゥクの前に引き立てられた、彼は怯えた顔でマルドゥクの顔を見上げつつ問うた。
「まさか」
「どうなるかわかっておるか」
マルドゥクはそのキングーに告げた。
「自分がこれからどうなるか」
「処刑ですか」
「これからその天命の刻印を貰い受け」
今も胸に下げているそれをだ。
「首を刎ねその血と涙も世界を創る糧とする」
「し、しかし私は」
キングーは怯える顔でマルドゥクに言った。
「ただ」
「ティアマトに言われてか」
「盟主になっただけで」
それに過ぎないからだというのだ
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