第二章
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「そこを楽しむものだし」
「そういうことね」
「それじゃあ私はね」
「ええ、あんたはUFOキャッチャーね」
「それをするわ」
こう言ってだ、実際にだった。
愛実はそちらを楽しんだ、この日麗奈はもぐら叩きをしてそれを楽しんだ。きりがないその遊びをだ。だが。
次の日だ、麗奈は学校で放課後に当番の掃除をしつつだ、一緒に掃除をしている愛実に共に床を帚で掃きつつ言った。
「毎日お掃除してるのね」
「それもうちのクラス結構真面目にね」
「それでもね」
「ゴミ多いわね」
「何でよ」
首を傾げさせての言葉だ。
「毎日お掃除しててゴミが減らないのよ」
「お掃除してもね」
「どんどん出て来るわね」
「そうしたものね」
「何でなのよ」
また言った麗奈だった。
「ゴミが減らないのは、これじゃあきりがないわ」
「あんた昨日もそう言ったじゃない」
「きりがないって」
「そうよ、もぐら叩きもそうだったけれど」
「お掃除もっていうのね」
「毎日毎日お掃除してもゴミが出るから」
だからというのだ。
「もうね」
「きりがないっていうのね」
「こっちもね」
「そうよ、お家でも」
麗奈は家のことも話した。
「時々草むしりするけれど」
「むしってもむしってもっていうのね」
「根っこからね」
そうしてもというのだ。
「すぐに生えてくるのよ」
「雑草はそうよね」
「こっちもね」
それこそというのだ。
「きりがないわ、私自身のことだと」
「あんたのことも」
「そうよ、ここだけの話でね」
麗奈は掃除をしつつだ、愛実に顔を寄せてだった。彼女に眉を顰めさせてそのうえで小声でこう囁いたのだった。
「腋毛、脛毛」
「大きな声で言えない話ね」
「だからこうして話してるの」
小さな声でというのだ。
「そうした毛もね」
「処理してもなのね」
「脱毛剤クリーム塗ってるけれど」
それでもというのだ。
「また生えてくるでしょ」
「その処理大変よね」
「男の子は処理しないのよね」
「みたいね」
何気に二人の男性経験がわかるやり取りだった。
「どうやら」
「けれど私達は処理するけれど」
「処理してもね」
「生えるわよね」
「どうしてもね」
「本当にね」
それこそと言うのだった。
「どれもきりがないわ」
「何もかもが」
「まあとにかくお掃除もして」
幾ら掃除しても出て来るそのゴミをというのだ。
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