第五十一話
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道を示す一端になっている……?
今の状況は、回避可能な無意味なイベントではないということ?
「テメェ、何を言ってやがる!」
刀を構えた小十郎を制して、私は少し考える。
だとすると、ここでは戦わなければならないのだろうけれど……なら、コイツは一体何者?
ゲームのキャラクターならどうしてそんなことが分かるわけ?
ゲームのキャラクターが、この世界がゲームで、自分が操られるキャラクターの一人だなんて分かっていたら
ゲームが崩壊しちゃうじゃないの。そういう設定になっている、ってわけじゃないでしょ、流石に。
「卿の疑問は最もだ。だが、いずれそれは来るべき時が来れば理解も出来よう。
今はただ、私の決められた役目を果たさねばならんのだ。それは全て“あの日の誓い”の為に」
その言葉に私は眉間に皺を寄せた。
おそらく“あの日の誓い”が政宗様のストーリーに繋ぐキーポイントになる。
悩んで迷って後悔して、そして最後に小十郎が腹を括らなけりゃ、括って誓いを立てなければ政宗様が立ち上がれない。
きっとこのまま目を覚ますこともないだろう。
政宗様が目を覚ますのは、小十郎のストーリーの最後、そして時系列的に政宗様のストーリーが始まる直前。
ってことは、要所要所は押さえて話を進めていかないと、
徳川の傍迷惑な同盟の話をクリアしても政宗様の復活には繋がらないってこと?
こいつは面倒臭い……。
「御親切にどうも。アンタがこの際何者かはこの際置いておくとして……
少なくとも、この時点で私が戻ってきちゃいけなかったのは分かったわ」
私がいたら、それだけで十分にバランスを崩す。いや、寧ろバランスが安定してしまうと言った方が正しいかもしれない。
小十郎もこの不安定な状況だからこそ、迷って悩んで揺れ動くことが出来る。
私がいたら、小十郎の心の支えになってしまう。それでは小十郎が先に進めない。
「……小十郎、作戦変更。行って潰して来い。私はここで政宗様達を守ってるから」
「……姉上?」
少しばかり訝しげな小十郎に、軽く背を押して送り出してやる。
松永と戦う小十郎の姿を見て、散々に小ばかにされて言い返せずに悔しがっている様を眺める。
しばらくモブっぽく兵達に混ざって見ていたけれど、殊の外早く勝敗が決したようで、松永が爆発してその場からいなくなった。
……何だか考えることが多くなりそうで頭が痛いわ。差し当たって、これからの事を考えないと。
今更ここから抜けて何処かに行くわけにもいかないし、私の動き方一つで物語がとんでもない方向に流れてっちゃうわけよね?
大体、竜の右目は本来一人なんだから、今の状況が相当異常なのよ。
そう考えると、政宗様が私を手篭めにしようとしたっての
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