第四章
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「実家から離れてね」
「それでアパートの住所はね」
この情報も言って来た、その他のことも。
そしてだ、相当な情報を言ってからあらためて彼に告げた。
「どう?ためになったでしょ」
「後はあんた次第よ」
「どうするかはわね」
「応援はしてあげるからね」
「何か色々情報教えてもらって悪いね」
「お茶一本にしては多いけれどね」
五〇〇ミリリットルのペットボトル一本のそれにしてはというのだ。
「けれどね」
「それでもここまで教えてあげたんだから」
「もう後はあんたの努力と勇気次第」
「清水の舞台から飛び降りるつもりでいきなさい」
「いいわね」
こう言ってだ、そしてだった。
彼に情報を全部渡して後は任せるのだった。そして。
彼は卒業まではだ、秀弥の言う通り待った。その待つ間に大学も合格して進路も決めてそちらも安泰にして。
彼は卒業の時を待った、その彼に自分も大学受験に成功した秀弥が言って来た。
「もうすぐでやんすね」
「うん、そうだよね」
「覚悟は出来てるでやんすね」
「うん、告白だよね」
「そうでやんす、大学進学も決めたでやんすし」
「後はね」
「それでやんす」
告白、まさにそれだというのだ。
「いいでやんすね」
「うん、行くよ」
「ただ、でやんす」
「ただ?」
「嘉惟人の癖は相変らずでやんすね」
秀弥は彼のそのことについては少しやれやれといった顔になって話した。
「先生の前だと身体を抓るでやんすね」
「表情に出るからね、ただね」
「ただ?」
「女の子にはそれでばれてたよ」
「誰が見てもわかるでやんすよ」
「じゃあ先生にも」
「どうでやんすかね」
嘉惟人の今の質問にはだ、秀弥はこう返した。
「誰でもって言ったでやんすが」
「先生も気付いてるかな」
「先生が気付いていたら告白しないでやんすか?」
秀弥はあえて問うた。
「そうするでやんすか?」
「いや、そう言われると」
「そうでやんすね、するでやんすね」
「うん」
あまり強くない声だがだ、嘉惟人も頷いて答えた。
「それはね、決めたから」
「ならでやんすよ。もう後は」
「卒業したら」
「告白でやんすよ」
これしかないというのだ。
「いいでやんすね」
「それじゃあね」
「うん、行くよ」
こう言ってだ、そしてだった。
嘉惟人は覚悟を決めてだ、卒業の時を待った。時間は刻一刻と過ぎていく。
その時がだ、遂に来たのだった。
卒業式の日になった、その式が終わってだ。
嘉惟人はすぐにだ。秀弥に言った。
「行って来るよ」
「いよいよでやんすね」
「うん、今からね」
「勇気を出すでやんすよ」」
「もう抓らない様になってくるよ」
自分の身体をというのだ。
「これから
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