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隣は魔女
第四章
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「爺さんが一番アタックしてきてな」
「それでなんだ」
「一緒になってずっと仲良くやってきたんじゃ」
「五十年の間」
「六十年といきたかったがそれは出来んかった」
「残念だったね」
「残念だったけれど人は死ぬ、仕方ないことじゃよ」
 カテローゼは今度は寂しい笑顔になってヴォルフガングに言った。
「このことはのう」
「そうなんだ」
「そうじゃよ」
「魔法でどうにか出来なかったの?」
「まあ病気を治すことは出来ても」
「じゃあお爺さんの病気は」
「爺さんが死んだのは寿命でじゃよ」
 それで死んだというのだ、つまり老衰である。
「もう仕方ないわ」
「寿命はどうにもならないんだ」
「魔法でもな、そうなのじゃよ」
「魔法は何でも出来る訳じゃないんだ」
「それが出来るのは神様だけじゃ」
 何でも出来る、万能のものはというのだ。
「魔法はそうしたものじゃないんだ」
「魔女は魔法を使って何でも出来ると思ったけれど」
「そうではないのじゃよ」
「何か思ってたのと全然違うよ」
「そうか、しかし実際にな」
「魔法はなんだ」
「何でも出来るものでもないし」
 それにとだ、カテローゼはヴォルフガングにさらに話した。
「学んで身に着けるものじゃ」
「そうなんだね」
「そうしたことはわかってくれたかのう」
「何となく」
「何となくでもわかってくれればいいわ、とにかくこれから宜しくな」
「お隣さん同士として」
「仲良くな」
 長く曲がった鼻を持っている顔を笑わせての言葉だった、その笑顔はよく見れば実に親しみの持てるものだった。ヴォルフガングの一家はこうしてカテローゼとの付き合いをはじめた。
 カテローゼはヴォルフガングの第一印象と違いだ、気さくで親しみの持てる人物だった。陽気で親切で世話好きでだ。
 街でも評判の人物になった、それでヴォルフガングも学校でだ。
 クラスメイト達にだ、カテローゼのことをしきりに聞かれた。
「お隣に魔女が来たんだって?」
「やっぱり箒でお空飛ぶの?」
「使い魔いるの?」
「お水に浮くの?」
「どんな魔法使うの?」
「大きなお鍋でお薬作ってるの?」
「いつも三角帽子被ってるの?」
 よく言われる魔女のイメージをそのまま聞かれた。
「占いをしたりとか」
「お薬を調合したりとか」
「使い魔とお話したりとか」
「そんなことするの?」
「うん、皆が思っている通りだよ」
 実際にそうだとだ、ヴォルフガングは皆に答えた。
「移動は箒に乗ってお空飛んでだし」
「うわ、凄いな」
「本当に魔女なのね」
「じゃあ魔法も使って」
「使い魔を従えてて」
「そうだよ、最初は怖いと思ったけれど」 
 それでもとだ、ヴォルフガングは皆に自分が最初カテローゼに対して抱いていたイ
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