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本心を隠し
第二章
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りと尋ねた。この学者は反ナチスで彼自身亡命をフルトヴェングラーに話しているが自分で亡命を決めて明日にも亡命しようとしている。
 それでフルトヴェングラーに別れを告げる時にだ、彼は問うたのだ。
「あのドクトル、ユダヤ系の人達を助けていますと」
「そのことでだな」
「はい、ナチスは恐ろしい連中です」
「彼等は手段を選ばない」
 フルトヴェングラーも言った。
「一切な」
「どんな悪辣な謀略も使います」
「ゲシュタポや突撃隊を使ってな」
「ヒトラー自身恐ろしいことを普通にします」
「その通りだ」
 まさにとだ、フルトヴェングラー自身も答える。
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