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竜のもうひとつの瞳
第四十八話
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方が軍配上がるけどね。
あの子が極殺で政宗様に攻撃仕掛ける時は、畑絡みで何か政宗様がやった時くらいしかないけどさ。

 流石、一人で城落としをする猛者……ここでぼんやりしてられないか。

 「本陣、撤収の準備を。本隊が壊滅的な被害を受けている。政宗様を連れて来るからいつでも逃げられる準備を整えておけ!」

 「ちょ、ちょっとどういうことっすか!?」

 「説明は後だ!! 迎えに行って来るから、それまでの間にやっておけ!!」

 「は、はい!!」

 手早く指示をして、兵達を動かしておく。この分なら何とか撤収の準備は整うだろう。

 風魔に指示を出して小田原城へと連れてって貰った。
危険じゃないのかとは言われたが、おそらく今の段階で私が死ぬことはないだろう。根拠は無いけど確信はある。
完全に事が済んだ後に戻さなかったところを見れば、自称神様も私の出番を奪う気はなさそうだし。

 小田原城へと辿り着いたところで目にしたのは、地に伏す無数の兵と政宗様の姿。
政宗様を守ろうと必死で刀を振るう小十郎も、もうほとんど気力だけで刀を振るっているのは目に見えている。
これはもう完全に負けるのも時間の問題だろう。

 「いぃしぃだぁああ、みぃつぅなぁりぃいいいい!!」

 上空で刀を抜き、風魔の手を離れて重力でコントロールしながら石田目掛けて落ちていった。
それに気付いた石田が後方へ飛んで避ける。上手く着地した私を小十郎が驚いた顔で見ていた。

 「姉上!? 今までどちらに」

 「豊臣と伊達が戦うのを邪魔されたくない奴に捕まってたのよ。遅くなってごめんね」

 とりあえず適当に謝っておけば、小十郎と石田が揃って眉を顰めている。

 「……道理で伊達の中に貴様がいなかったわけか。女の言うことなど聞かんと切り捨てたのかと思ったが」

 「まっさかぁ〜……これでも、政宗様の左腕くらいのポジションにはいるからね。
ちなみに右腕はこっち。ま、うちでは右目って言ってるけど」

 「姉上、知っているのですか」

 そりゃ、勿論知ってますよ。だって、少し前に話をしたばっかりだもん。
でも、そういう事情をここでゆっくりと話してる暇はないんだな。

 「もう十分じゃない? 負けを認めるから引いてもらえないかしら」

 「いくら貴様の言うこととはいえ、聞くわけにはいかない」

 ま、逃がしてくれってのは虫の良い話とは思うけどもさ、ここは逃がしてもらわないと困るわけだ。
だってねぇ、政宗様が討たれちゃえば話が進まないわけだし。

 「奥州ってのがどういう国だか知ってる? 内輪ばかりで戦って、いつまで経っても群雄割拠だった国なわけよ。
奥州平定なんてのが出来たのは政宗様の手腕によるところ……

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