妖精境の宝物
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ソードスキル後の硬直を無くす《メテオブレイク》により移動が可能になり、キリトはそのまま空中へ飛翔する。そうして背後から足元を狙っていたギャレンの銃撃を避け、空中で宙返りをしながらギャレンと軸を合わせると、ギャレンの銃とキリトの剣が同時に交差する。
「せやっ!」
――しかしギャレンが引き金を引くより、今のキリトの剣速は速い。片手剣四連撃ソードスキル《バーチカル・スクェア》が全て炸裂し、ギャレンは他の例に漏れずに消滅していき、キリトはスタリと地面に着地する。
「なら――」
「――させるか!」
そんな様子のキリトをらしくもなく警戒しながら、ディエンドはさらなるカードを足のケースから取り出すが、そのカードはキリトが投げたナイフに風穴を空けられる。これ以上小細工はさせない、と言わんばかりの威圧感を見せるキリトと、カードというお宝に風穴を空けられた海東が対峙する。
「光栄に思いたまえ。僕が少しばかり追い込まれたのは、随分と久しぶりだから」
「……随分と弱い奴がいる場所ばかり旅してきたんだな」
ディエンドに変身した海東の目は見えないが、キリトは二人の視線が合ったように感じられた。その数秒間の対峙を終え、キリトが翼を伴ったダッシュで、ディエンドに向かっていくことで再開する。
キリトとディエンドの距離はそこまで離れておらず、キリトの飛翔速度ならば五秒とかからないだろう。だがそんな数秒の間にも、当人たちにとっては激闘が繰り広げられる。
圧倒的な速度で接近するキリトに対し、やはりディエンドはケースから数枚のカードを取り出した。もちろんそれを読んでいたキリトは、飛翔しながらも用意していた投げナイフを投げ、先のように風穴を空けようとするが――それは高速移動によって避けられる。ならば、とディエンドがドライバーに挿入するより速く、効果が発生するよりも速く、キリトはディエンドに斬り込むしかない。
『ATTACK RIDE――』
「ってぁ!」
『――BARRIER』
だが、海東とてキリトの速度を甘く見てはいなかった。選んだカードは新たなライダーの召喚ではなく、その特性上最速で発生するバリアのカード。ディエンドライバーの銃口から展開されたバリアは、キリトの上段からの勢いが籠もった一撃ですら防いでみせた。
ただキリトは一度防がれた程度で諦める人間ではなく、弾かれた剣と身体を無理やり引き戻し、バリアを破る第二打を加えようとしたところ――バリアが何もしないうちから消えていく。
それは銃口がキリトの前に晒されるという意味だけ――たとえこの距離で放たれた銃撃も、今のギアが入ったキリトなら避けてみせただろう――ではなく、新たなカードがドライバーに挿入されるということ。今更新たな騎士を召喚したと
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