妖精境の宝物
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
IDE JACK』
腰のケースからカードを取り出した段階で、キリトはそれを妨害しようと駆け出すものの――距離が遠い。結局はディエンドライバーへのカードの挿入を邪魔出来ず、ディエンドの前に二体の騎士が召喚されたかと思えば、どちらもみるみるうちに翼が生えていく。
さらに青いスペードの騎士、《ブレイド》には雷の力が。赤いダイヤの銃士、《ギャレン》には炎の力がそれぞれ付与される。どちらもふわりと飛翔すると、ブレイドはキリトへと斬りかかってきた。
『ウェェイ!』
「……っ!」
左の剣で受けとめて右の剣で反撃――としようとしたキリトだったが、ブレイドの剣が纏った雷を警戒し、右にぐるりと側転することでやり過ごす――と、そこをカバーするようにギャレンが立ちはだかっていた。
「ぐっ!」
ギャレンの炎を纏わせた銃撃を切り払っていると、その隙に近づいてきていたギャレンの蹴撃がキリトの横腹を捉え、溜まらずキリトは吹き飛ばされる。翼を使いながら何とか態勢を立て直すと、持っていた左の剣がどこかへ吹き飛んでいった。剣を支えていた左手にピンポイントに銃撃が加えられ、その支えを失ってしまった結果だ。
「ビンゴだ」
その正体は放たれていたディエンドの援護射撃。どこかへ飛んでいった剣を探して拾う暇もなく、すぐさまブレイドの剣から放たれた雷撃が迫り来る。雷光とはよく言ったもので、その光の如き速度で迫る雷に、キリトは正面からエクスキャリバーで立ち向かう。
しかし先程までの銃撃とは違い、剣で切れるものではなく。雷光とぶつかったエクスキャリバーはビリビリと放電していき、好機と見たギャレンが上空から炎の銃弾の雨を降らせていく。
「ハァァァァッ!」
しかしてその銃撃は、裂帛の気合いとともにキリトに薙払われる。その速度は雷撃の影響を全く感じさせず――いや、むしろ雷光のような速さで、目の前でディエンドを守るように立ちはだかっていたブレイドに、片手剣最上位突進系ソードスキル《ヴォーパル・ストライク》を直撃させる。
ALOに改めて導入されたソードスキルは《属性》の概念を取り入れており、キリトがブレイドの雷撃に対抗したのも、雷を伴ったソードスキル。その特性は敵の雷属性の攻撃を吸収、こちらの攻撃に加えるというものであり、ブレイドの力強い雷撃を受けてその効力は最大限発揮された。そしてその影響からキリトは、今この瞬間だけ、雷の如き力と速度を得ていた。
「チッ!」
何故かブレイドの背中に向けて銃口を構えていたディエンドが、キリトの勢いに舌打ちとともに離脱する。《ヴォーパル・ストライク》を直撃させたブレイドに、そのまま体術スキルとの合わせ技《メテオブレイク》で隙を無くしつつ、追撃の強打を与えブレイドを消滅させる。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ