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少女の黒歴史を乱すは人外(ブルーチェ)
第二十四話:対決・紅の姫騎士(上)
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て腰を落とし、【鋼糸鏖陣(スティールゴルゴン)】を蛇の如くうねらせる。

 時折地に叩きつけ威嚇するかのように音を立てるマリスと、静かに剣の柄へ手をやるロザリンドの、互いの視線がぶつかり合ったまま、過ぎる事数秒間。

 ……場は唐突に動いた。


「では、いざ行かん!!」


 どうも一人芝居の熱気が残っていたらしく、マリスとは対照的に物凄くノリノリで格好付けて剣を抜き、細いサーベルから巨大な両手剣へと変貌させる。

 両手剣と称するには余りにもでかく、利便性や現実味をコレでもかと無視した、最早化物クラスの大剣。
 だが……ロザリンドはムトゥーヨガー堂の、駐車場の時と何ら変わらぬ余裕さを持って、片手でそれを上段まで緩慢に持っていく。


 そのまま縦一直線に構え、再び瞑目した直後―――カッ! と効果音でも付きそうなぐらい、目をコレでもかと見開いた。
 剣も腹を見せていた状態から、刃の面を向ける状態に捻られる。


 直後……一瞬の静寂を挟み―――


「はあああぁぁああぁぁっ!!」


 決して譲れぬ戦いの火ぶたが、裂帛の声と共に斬られた。


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