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SAO二次:コラボ―Non-standard arm's(規格外の武器達)―
chapter4:Light that plugs into trouble(思案に差す光明)
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 刻一刻と真っ赤なその数字が減っていくものの、『Non-standard arm's』ビギナーのシリカには一体何を図っているのか特定出来ない。


「シリカさんにピッタリな活用法を一つ披露しますので、よく見ていてくださいね」
「活用法……?」


 何が言いたいのかとシリカがセツナに問い掛ける、正にその瞬間、カウントが0になる。


[オ゛オ゛オ゛オ゛ォォォ]

「ふえっ!?」


 同時にポリゴンの破片が中央へ集まり、モノクロの液体で出来た様なモンスターが形成された。
 猪のようにも見えるが、シルエットだけでは特定しにくい事この上ない。

 鳴き声もまた、猪はおろか通常の生物の声とも違う、幾らか人工的なサウンドが混ざっていた。


「……行きますよ」


 瞬間―――土煙のエフェクトが宙を舞うと共に少女の姿は掻き消え、一筋の銀光だけがシリカの目に映る。
 神速にて詰め寄るや否や、四肢で威風堂々立ち尽くす猪型人工モンスターへ挨拶代わりの切傷を刻んだ。

 追撃はせず、二歩だけステップして下がる。


 そして――――如何いうつもりか手の内でダガーを弄びながら、セツナは反撃の構えも見せず重心を後ろへ掛け、明らかな逃げと避けの体勢を取っている。
 爪先でトントン地面を叩き、肩から腰へ、さらに胸元から頭上へ、ダガーを回転させながら次々手のある場所を移動させ、されど迎撃態勢には一向に入ろうとしない。

 まるで相手側の攻撃を、敢えて待っているかのように。


「……」


 セツナの地面を叩く拍子が、唐突に一瞬ばかり遅れて―――


[オ゛オ゛オ゛ォォ!!]


 それが合図となったかの如く、人工モンスターは悠然とセツナ目掛け、猛烈な速度で駈け出して来た。

 構えられし僅かにねじくれる牙に小細工など要らない。
 最早言うまでもない、質量任せの突進こそ一番の威力を発揮できるだろう。


「では、お披露目と行きましょう」
「……えっ?」


 聞き逃してしまいそうな音量で呟かれた言葉にシリカは聞き返し…………その疑問への答えは、“言葉”ではなく“行動”で返って来た。


「はっ!」


 襲いかかる人工モンスターにセツナが取った行動は、如何いう訳か余りに飛距離の足らない跳躍。

 だが驚く間もなく短剣が両手槍に変形し、そのまま『棒高跳び』よろしく頭突きを躱してしまう。
 オマケに越え掛ける直前で猪の尻を蹴飛ばし、空中前転からの着地を決める余裕まで見せた。

 勢い余って牙を地面に擦り付けた強引なブレーキを決める猪を見やりもせず、セツナはシリカへと振り返り、ダガーを再び弄びながら言う。


「これが、シリカさんが身につけるべき応用法の
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