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SAO二次:コラボ―Non-standard arm's(規格外の武器達)―
chapter4:Light that plugs into trouble(思案に差す光明)
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 袈裟掛けに振り切った直後、槍へと変形させ正面を二度突き、左手を動かして柄で打ち上げすぐさま短剣モードへと移行する。

 右手で受け流しを想定した構えを取りつつ左手に保持したままの短剣を三度振って、先端を上へ向ければ両手槍へ変形。
 架空の敵による攻撃をガードしたか柄が左へ鋭く跳ねて、斬り降ろしと下段刺突を繋げたコンボを実行。
 そこから頭上で槍を風車の如く回転させる。

 と―――唐突に穂先を左足近くへ突き刺し、タックルの要領で槍を撥ね上げたかと思うと一度の牽制から再び短剣に様変わりし、突貫から最後に左手での扱いを超える速度の三連撃で〆た。


「ふぅ」
「…………」


 再び手の内で、円形に見えるほど素早く回すセツナを見たまま、シリカは大口を開けたまま固まっていた。

 ただ無暗に変形させている訳ではない、両武器の役割を理解し使い分けている事もそうだが、攻撃一つ一つの錬度や滑らかさがシリカ自身の比ではない。
 その淀みなさたるや……失礼かとは思いながらも、そして『Non-standard arm's』では初心者なのだから仕方ないと思いつつも、シリカの知る中で一番の実力を持つキリトが霞んでしまう程。

 
 上手く武器の機能を“スイッチ”させ、更には二つの武器を贔屓なくどちらもそれなりに扱って見せた彼女の……たった一度の素振りでも凄みの分かる実力に、シリカは驚愕が止まらなかった。


「シリカさん?」
「ふぇ? ……ふぇ!? あ、はい、何でしょうか!」
「上の空に見えたので、一体どうされたのかと……」
「い、いえいえ! 続けてください!」


 疑問符を浮かべながらもシリカに促されたからか、セツナは疑惑の色のある表情を元の笑みまで戻して、傍にあった機械に歩み寄ると一度指で叩き起動させ、黒かった画面に数多の形と色が現れる。

 画面内に表示される幾つかの専用メニューから何やら選択し、踵を返して再びシリカの方へと戻ってくる。

 そして一つ、軽く咳払いをしてからセツナは説明を始めた。


「まず、シリカさんのアバターはとても小柄です。普通に変形させれば状況などにもよりますが、恐らく柄が地面に引っ掛かったり、構え損ねるでしょう。そういった事故に経験があるのでは?」
「はい……正にそれで躓いてます」


 シリカが武器を扱い兼ねている大半の原因が、その柄に邪魔され思うように振るえない、正にセツナが指摘した事柄だったりする。

 どうやって克服すべきか悩んでいる一番の問題点も、実は大部分が其処にあるのだ。


 セツナの言い分にシリカは素直に頷く…………と、何時の間にやら天井近くには、先まで影もなかった筈のデジタル式タイマーが刻まれたウィンドウが出現している。


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