機動戦艦ナデシコ
番外編056話 進路相談
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かけっこと呼べる範疇にはないやり取りなのだが。
そんな日々を過ごしている明日菜にとって、ホワイトスターというのはある意味では魔法界よりも異常な場所だった。
「あ、あははは。さすがにホワイトスターね。でもそういう話を聞くと興味が湧いてくるから困るわ。……ちなみに、そこで黙っている夏美ちゃんはどうなの? 卒業後の進路は」
朝倉の言葉に、目立たないようにこっそりとジュースを飲んでいた夏美は、あははは……と何かを誤魔化すような笑みを浮かべる。
「あー、うち知っとるでー。小太……んむぐっ!」
「わーっ! 駄目駄目!」
木乃香の口を強引に押さえる夏美。
そのやり取りを見れば、何となく皆が理解出来た。
小太郎の卒業を待つのなら、暫く麻帆良に留まるのだろうと。
「あー、もう! 本当に私はどうしたらいいのよ! 皆が就職とか、そういうの決まってるのに、まだ私は何も決まってないじゃない!」
「そう? でもアスナの場合最終手段があるでしょ?」
「は? 最終手段? 何それ?」
和美の言っている内容が分からないと言いたげな明日菜だったが、次の瞬間に和美の口から出た言葉に思わずテーブルの上にあるクッキーの皿へと伸ばした手が止まる。
つまり……
「ほら、アクセル君の恋人に潜り込めばいいじゃん。アスナって結構アクセル君と仲がいいし、何でも中学の時の修学旅行だと膝枕とかしてあげたって話じゃん。それに、こう言っちゃなんだけどアスナって結構エロイ身体してるしね。いいんちょとかにも負けず劣らず。その武器を使えば……」
そこまで告げ、嫌らしい笑みを浮かべながら更に言葉を続けようとした和美だったが……不意に周囲の友人達が自分から距離を取っていることに気が付く。
ゾクリ、と嫌な予感がして明日菜の方へ視線を向けると、そこでは手にハマノツルギを持ち、怒りと羞恥で顔を真っ赤に染めた鬼神の姿があった。
「左手に魔力、右手に気……気と魔力の合一」
「ちょっ、咸卦法は不味いってば!」
その言葉を最後に、喫茶店の窓が全て割れるような被害が出るのだが……そして、弁償のために和美と2人で暫くバイト三昧の日々を送る事になるのだが、それはまた別の話。
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