機動戦艦ナデシコ
番外編056話 進路相談
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
寒風吹きすさぶ……と表現するのが相応しいだろう麻帆良の中にある喫茶店の1つ。
現在そこには十人近い人数の少女達が集まっていた。
……いや、その集まっている者達の年齢を考えれば、既に少女とは呼べないだろう。
外見から考えても、大人の女が集まっていた……と表現するのが正しい。
もっとも、外見は大人であっても中身まで大人であるとは限らないのだが。
それでも、その喫茶店の外を通っていく男……特に若い男達は、喫茶店の中にいるのがいずれ劣らぬ程の美女ばかりということもあって、目を大きく見開く。
中にはナンパ目的で喫茶店の中に入ろうと考える者もいて、実際に喫茶店の中に入った者もいたのだが、そこで話し合っているのが就職活動についてだというのを聞くと、何故かすぐにその場を去ってしまう。
この喫茶店のオーナーが実は麻帆良に所属している魔法使いであり、こっそりと気分が重くなる魔法を使っていると知っている者は少ない。
「それで……あんた達はどうなの? 就職先は決まった?」
そう尋ねたのは、知る人ぞ知るといった重要人物でもある神楽坂明日菜。
既に20歳を過ぎ、誰が見ても美人と呼ぶだろう容姿をしている。しているのだが……今その表情に浮かんでいるのは、どこか深刻そうな色だった。
「私は……ネギせんせーと一緒なら、どこでもいいです。多分魔法界の方に行くことになるんじゃないかと」
「あー、本屋ちゃんは結局ネギと一緒かぁ。じゃあ、ユエちゃんも?」
「はいです。のどかを放ってはおけませんし」
そう言いながら、特別にマスターに作って貰った飲み物『タピオカミルク濃厚ソース風味デラックスジュニアローリングサンダー』なる飲み物を口へと運ぶ。
普通であれば、そんな謎の飲み物に思わず眉を顰める者も多いのだろうが、既にここにいるのは10年近い付き合いの者達ばかりである。
夕映が何を飲んでいても、『夕映だし』で済ませてしまう程度には気心が知れている。
もっとも、既に諦めたという一面があるのも事実だが。
「ま、この2人は予想通りよね」
カメラを持った女……麻帆良のパパラッチと名高い朝倉和美が、肩を竦めて呟く。
厚い冬服を着ているというのにその胸がユサリと揺れ、喫茶店の中にいる何人かの敵意に満ちた視線が飛ぶのだが、本人は全く気にした様子はない。
寧ろ、和美の後ろに浮かんでいる相棒にして守護霊とでも呼ぶ相坂さよの方が、その視線に怯えている。
「そっちの2人はシャドウミラーに就職が内定してるのよね?」
和美の視線の先にいたのは、近衛木乃香と桜咲刹那の2人。
「そやねー。うちの場合はこのまま西に戻っても、麻帆良にいても色々と厄介な事になりそうやからなー。その件もあってアクセル君に相談して、もう随分と前か
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ