機動戦艦ナデシコ
1255話
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と解れる。
海苔はパリパリとしており、このおにぎりが作りたてである事を示していた。
そのまま味わいながらも食べ進め、次のおにぎりに手を伸ばす。
「寝る前にあれだけ食べたのに、よくそんなに食べられるわね」
「ま、こう見えてパイロットだからな。いざという時に腹が減って動けないなんて事にならないのも重要なんだよ」
「ふーん。食事の中に薬が入ってるとか思わないの?」
「そうなれば、この艦が沈むだけだ」
「……え?」
最初何を言われたのか分からなかったのだろう。ハルカが口を大きく開けて俺の方へと視線を向けていた。
「タラコか。……個人的には焼きタラコより、生のタラコの方が好きなんだけどな」
2個目のおにぎりの具は焼きタラコ。
俺の味覚的には、生のタラコの方が好きだ。
もっとも、だからって焼きタラコが嫌いな訳じゃないが。
料理人の腕だろう。そのおにぎりも最初のおにぎり同様に美味いと表現してもいい出来だ。
鴨南蛮へと箸を伸ばし……
「ちょっと、それどういう事?」
「うん? 何がだ?」
「だから、もしアクセルに薬を盛ればナデシコが沈むって」
「言葉通りの意味だよ。俺は友好関係を望んで、向こうがそれに応える振りをしながら薬を盛ったりすれば、それは裏切りだろ? なら俺だって敵には容赦しないさ。……うん、蕎麦も美味いな」
「だ・か・ら! 蕎麦を食べてないで私の話を聞きなさい。そんな事が出来ると思ってるの!?」
「難しくはないだろ。こう見えて、俺は腕利きだし」
「……自分で言う?」
駄目だこりゃ、と言いたげに溜息を吐くハルカ。
一々仕草が色っぽいんだよな。
それこそ、俺がその辺の思春期真っ盛りなら問題が起きかねない程に。
「色仕掛けはやめておけよ」
「馬鹿。いきなり何言ってるのよ。……ね、それよりおにぎり1個貰ってもいい?」
「俺は構わないが……いいのか? 間食は……」
「いいのよ。アクセルの話を聞いて、真面目になんてやってられないわ。それよりほら、どのおにぎりなら食べても良いの? 私は鮭が食べたいんだけど」
「……まぁ、お前がいいなら、どうでもいいさ。好きなのを選べよ。どれが鮭なのかは分からないけど」
こうして、俺とハルカは何だかんだと言い合いをしながらも、楽しい食事の時間を過ごすのだった。
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