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インフィニット・ストラトス ー剣を継ぐものー
第1話 獅子との出会い
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していたため、その技術を、だいぶ昔に亡くなった両親から叩き込まれていたのだ。その日も、 生活費を稼ぐために機体整備のバイトをしていた。楽な仕事では無いが、それなりの給料も出るため、美味しい仕事なのである。

「お疲れさん春斗」

ヒョイと投げ渡された缶コーヒーをとっさに受け取り、下げていた顔を上げる。そこにいたのは、浅黒い肌に色素が抜けて白くなった短髪の初老の男性。ここの整備長をしている人物で、職員たちからは「おやっさん」と親しみを込めて呼ばれている。

「いつも悪いな。面倒ごと押し付けちまって」
「いえいえ。仕事ですし、給料も弾んでもらってますから」

そう言いながら、春斗は右眼に“繋いであった”コードを抜いた。

「にしても、お前のそれは便利と言っていいのかどうか、毎度のことだが迷うな」
「まぁ、実際便利なものですしね。ケータイいらずですし。もう5年以上の付き合いですからね」
「そんなもんか?」
「そんなもんですよ」

右眼の接続部が、ロボットのような音を立て普通の目のように変わっていく。ぱっと見ならば、もう片方の眼となんら大差ない普通の眼。しかし、その中身は最先端の技術を注ぎ込んだ脳内拡張装置だ。
5年ほど前に無くした右眼の代わりにつけられたコレだが、当時は本当に大変だった。いきなりネットが開いたり、電話がかかったりと全くコントロールできていなかったのだ。

「そういえばお前さん、水道管とか直せるか?」
「水道管?今時そんなのあるんですか?」
「ああ。アリーナの方にシャワー室があるんだが、そこのが幾つかもう危ないらしくてな。頼めるか?」
「まぁ、1世紀近く昔のですけど、データがあればある程度は直せますよ」
「悪いな。予算が下りれば一発なんだが」

はぁ…、と深いため息をつくおやっさんを尻目に見て、春斗は機材を片付けて指定された場所へと向かっていった。
IS学園は広い。それは、簡単に言えば東京ドームが数個は軽がる入ってしまうくらい。
他国からの留学生や、国力強化を重視されているため、学生数が多くなるにつれて敷地も施設も巨大化していったのである。
よって、格納庫からシャワー室までの道のりは必然的に長くなってしまうものだ。

「だからって、2キロ近くって……ちょっとした散歩だろう…」

全体で何坪あるのか一度数えてほしいものである。

「……な…で、出ないかな!」

多少の後悔を抱きながら歩いていると、途切れ途切れにではあるが、イラついていることを隠そうとしない声が聞こえてくる。
きっと水道管のせいだろう。
仕事をこなせばチップの1つでも貰えるだろうか?いや、ここは日本だし。

「すいませ〜ん。バイトのものですけど、水道管直しにきまし…た……」
「へっ……?」

そこにいた
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