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インフィニット・ストラトス ー剣を継ぐものー
第1話 獅子との出会い
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皆さん、ハーレムと言うものを知っているでしょうか?よくフィクションの中で、主人公に対して不特定多数の女性が好意を寄せること。そう考えてもらって差し支えない。
普通の男子なら、そんな光景に憧れるのは当然のことである。酒池肉林に憧れたっていいのである。どこの皇帝だと思われるような生活は男のロマンだ。
しかし、女性にしか使えないパワードスーツ。インフィニット・ストラトス(通称IS)が生まれたことでその夢も儚く消えて行くはずだった。社会が女尊男卑と言う奇妙な形をとり、女性が逆ハーレムを作るような時代があったほどである。男が強いというのは何年も前の話だ。

だが、実際にそんな状態に陥った場合はどうだろうか?そんな状況に陥ってもなお、天国だと感じられる人は筋金入りだろう。
けれども、自分はそうではなかった。

ーこれは…色々としんどい……

自分へと向けられている視線というものはこうも気になるものなのかと頭を抱えているのは、目元あたりまである銀髪を少し逆立てた少年。その顔は、童顔というよりも中性的といったほうが正しい。その整った容姿が、今では苦悩で眉に皺を寄せている。
彼に向けられている視線の正体は、全てが同年代の少女のもの。つまりは女子高生の視線だ。それに込められているのは、様々な思惑。
あるものは興味。
あるものは懐疑。
あるものは悪意。
あるものは…あるものは…あるものは…
敵意も悪意も好意も織り混ざった視線の数々は、確実に少年の神経をすり減らしている。
少し手狭な学校の教室の、最前列の、しかもど真ん中の席。これは何かしらの悪意が有ると言っても過言ではないだろう。というか絶対に悪意がある。
そう思っていると、教室のドアが開き担任と思しき女性が入ってくる。

「全員揃っているな。時間も押しているから、出席は端折るぞ」

まるで男性のような口調で話すのは、綺麗な黒髪を白いリボンでポニーテールにした女性だ。
服越しでも分かるほどの均等なスタイルは、女性であれば誰もが羨み、男ならば誰もが欲情するような完成度を誇っている。
容姿も、そこらの女優など相手にならないほど美しく、力強い光をその目に秘めている。

「それでは、諸君。私が今日から一年間、君たちの担任を務めることになった、篠ノ之箒だ。まだ教師になったばかりで至らないところもあるだろうが、よろしく頼む」

凛々しく自らの名前を名乗った女性、篠ノ之箒を知らない人は、恐らくこの教室にはいない。
何故なら、彼女は数年前にアラスカ条約に加盟している国を中心に行われるISの世界大会「モンドグロッソ」で総合優勝を果たし日本人で史上2人目のブリュンヒルデとなった女性だ。
その佇まいはそこらの男性など裸足で逃げ出すほど男らしく、同性ですら見惚れそうなほどカッコいい。
故に
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