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水の国の王は転生者
第十九話 風穴のジャコブ
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の一人だった。









                      ☆        ☆        ☆







 マクシミリアンは自身の杖を取り戻し、フランシーヌを伴って、多数の人質が居る大ホールを目指していた。

「この通路を行けば大ホールが一望できる場所へ行けます」

 フランシーヌに道案内を任せて二人は廊下を進む。
 先ほどのアブノーマルな雰囲気は消え去っていた。

 そして、マクシミリアンたちは大ホールを一望できる場所へと行き着いた。
 ここは、大ホールで演劇などを行う際に使う魔法の舞台装置を操作する場所で、数人の見張りが居たが、スリープクラウドで一網打尽にした。
 眠らせた見張りは、ロープでぐるぐる巻きにして部屋の隅に転がしておく。

「ここからなら、大ホールが一望できるのか?」

「はい、それと踏み込む場合は、隣に下へ降りる階段がございますので」

「フライで飛び降りればいいさ」

「そうですね」

 マクシミリアンとフランシーヌは、部屋についてある小窓から大ホールを覗き込むと、二十人ぐらいの武装したヤクザ者と五人のメイジ、少しは離れた所に十人近い貴族が縛られていた。

「よかった、セバスチャンと他の魔法衛士も居る」

 ひとまず無事を確認して胸を撫で下ろした。

「フランシーヌ。キミと僕のスリープクラウドで、あの連中全てを眠らせることは出来ると思うかい?」

「……そうですね。大ホール全体に散らばっているので、難しいのではないですか?」

「そうか……」

 無力化するのなら一網打尽に……しくじれば人質に被害が及ぶかもしれない。
 ……マクシミリアンは迷った。

「殿下、あれを……」

 フランシーヌが指差す方向を見ると、大ホールの隅の方で血まみれの貴族が二人倒れていた。

「あれは一体……何があったんだ?」

「私には分かりかねます……すみません」

「もしかしたら、見せしめかも」

 二人で血まみれの貴族について意見を出し合っていると。

「あれはですね……やれ開放しろ! だの、やれ不届き者! など散々、喚き散らしたものだから、リンチにされたんですよ」

 あらぬ方向から可愛らしい声がした瞬間、マクシミリアンは杖を抜いて戦闘状態に入った。

「ちょっとちょっと! 殿下、お待ち下さい」

 声の方向を見ると、メイドの少女が両手を上げて、無抵抗をアピールしていた。

「貴女、こんな所で何をしているの?」

「知り合いか?」

「わたし付きのメイドです。でも、こんな所で……何をやっていたの?」

 フランシーヌは責める様にメイドに言う。

「あはは、勘違いしないでいただ
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