二十六話:道標
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普段からよく自分のことを凡人だと評していた。一見すれば謙虚に見えるかもしれないがそれはどれだけ結果を出してもまだ足りないと思う完璧主義な面の表れでもある。それと同時に誰かから認められたいと願いながらも本当に認めてほしい相手からはもう認めてもらうことができない故の苦しみでもあった。それを普段の会話や、以前からの付き合いの長いスバルから聞き察したなのはは彼女をできうる限り認めあげることにしたのだ。
「ティアナになら私のとっておきが使いこなせると思ったから見せたんだ。今すぐには無理だけど、これからはスターライト・ブレイカーができるように訓練をしていこうと思うけどそれでいいかな?」
「はい! 頑張ります!」
断る理由などないのでティアナは疲れなど吹き飛んでしまったかのような元気な返事を一つ返す。その様子になのはもニッコリと笑い、ねぎらいの言葉をかける。
「うん。それじゃあ、今日は戻ってゆっくり休んで明日に備えてね。それと、夜中に出動がかかる場合もあるから眠れるときに寝るように他のフォワード陣にも伝えておいてくれる?」
「分かりました!」
どこか気分が高揚しているかのような早歩きで去っていくティアナの背中を見つめなのはは晴れ晴れとした気持ちで大きく伸びをする。今日はいい気分で残りの仕事ができるなと思ったところにフェイトから連絡が入る。良いことがあれば悪いこともある。そんな当たり前のことを思いながらなのはは通信に出る。
【なのは、レリック事件の犯人について進展があったから隊長陣は至急集まってくれないかな】
「犯人の? 分かった。すぐに行くねフェイトちゃん」
通信を切り、顔を引き締める。未だに事件は本格化してはいないがここから大きな変化が訪れるかもしれない。そうなると、しばらくはのんびりと教え子の成長を実感する暇もなくなるかな。そう、心の中で小さくぼやき、隊舎の方へ駆け出していくなのはであった。
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