第一話 植物園でその十
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「凄いでしょ」
「本当に女の子みたいだな」
「下手な女の子より可愛いし」
「確かに女装したら」
「もう女の子にしか見えないな」
「何かね」
優子は今度は微妙な顔になって言った。
「もう高校生なのにこうなのよ」
「喉仏も出ていない感じだし」
「身体つきも華奢で」
「背も小柄で」
「男の子の特徴がないな」
「間違えて男の子に生まれたのかしら」
こうも言う優子だった。
「ひょっとして」
「そうかも、こんなに可愛いのなら」
「これならアイドルグループも入られるよ」
「冗談抜きに女の子って言われても信じるよ」
「むしろ女の子より女の子らしいよ」
「ううん、ホルモンの関係かしら」
優子は携帯を机の上に置いたままだ、腕を組んで口をややへの字にさせて言った。
「若しかして」
「この子は女性ホルモンが多いのかな」
「男性ホルモンが少なくて」
「それで女の子みたいな感じになってるのかな」
「それでかな」
「そうかしらね、可愛い自慢の弟だけれど」
それでもというのだった。
「女の子にも見えるのよ」
「じゃあ妹さん?」
「弟さんじゃなくて」
「そちらになるのかな」
「性別はそうにしても」
男だ、だがそれでもというのだ。
「何かがね」
「違ってきてる」
「そうなのかな」
「やっぱり」
「ううん、本当にね」
また言った優子だった。
「優花、私の弟ちょっとおかしいわね」
「あんまりにも男の子らしくて」
「それで」
「そう思うわ、不思議な子よ」
こう弟のことを言うのだった、自分の職場において。
そしてだった、優子が同僚達とそんな話をしている時。
優花は身体測定を受けていた、今回の身体測定はというと。
「かなり徹底してるよな、今回の測定」
「ああ、本当にな」
「レントゲンは撮るしな」
「他にも血液とかも調べて」
「何か隅から隅まで調べる」
「そんな感じだな」
「どうもあれらしいな」
龍馬が測定のことについて話すクラスメイト達に述べた。
「今回はあれらしいな」
「あれ?」
「あれっていうと何だよ」
「結核とかそういうのも調べるらしいな」
「だからか」
「それでレントゲンもか」
「血とかも調べるのもな」
そうしたこともというのだ。
「病気とか調べるらしいな」
「糖尿とかか」
「あとやばい病気もか」
「そうみたいだな」
だからだというのだ。
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