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Blue Rose
第一話 植物園でその七

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「昔からないんだ」
「普通十六になったらかなりだろ」
「人によるにしても」
「結構生えるだろ」
「俺なんかな」
 クラスメイトの一人がその足を見せる。
「こんな感じだぜ」
「御前はまた濃いな」
「すね毛ボウボウじゃねえか」
「黒いズボンはいてるってとこまでゃいかなくても」
「相当だな」
 クラスメイト達も彼のその体毛を見て言う、その脛毛をだ。
「濃いな、本当に」
「それだと冬あったかそうだな」
「けれどこれだけ濃いからな」
 それで、とだ。その体毛の濃いクラスメイトは言うのだった。
「女の子に嫌われるかもな」
「女の子結構こういうの嫌うからな」
「体毛濃い奴な」
「だから御前もか」
「嫌われるかもか」
「それが心配なんだよ」
 どうにもといった口調で言うのだった。
「俺嫌われないかな」
「まあそれは人によるな」
「ちょっとな」
「いいっていう娘もいれば」
「そうじゃない娘もいるな」
「そうか、俺このままだと髭も濃くなるな」
 このことも言うのだった。
「こんなのだと」
「だろうな、それだけ脛毛が濃いとな」
「髭も濃いだろうな」
「白人の人みたいにな」
「凄い髭になるかもな」
「だろうな、その俺からしたらな」 
 彼はあらためて優花を見て言った。
「蓮見羨ましいよ」
「そうなの?」
「だから毛深いとな」
 それだけで、というのだ。
「女の子に嫌われるからな」
「それでなんだ」
「ったくよ、熊とか言われるのかな」
 こうも言った彼だった。
「俺は」
「それはちょっと考え過ぎじゃ」
「いや、実際にな」
「毛深いと女の子に嫌われるんだ」
「そうなんだよ」
「ううん、そうしたものなんだ」
「俺なんか多分髭も濃くなるしな」
 そちらのことも言うのだった。
「あと髪の毛もきて」
「そっちも?」
「それでもう完全にな」
 それこそという口調での言葉だった。
「おっさんになるんだよ」
「毛深くてお髭も濃くて」
「頭もな」
 特にだ、髪の毛のことも言うのだった。
「西洋人みたいになるぜ」
「ああ、あっちの人って凄いよな」
「体毛濃くてな」
「御前並にある人多いよな」
「もっと濃い人だっているしな」
「そういう感じになるか」
「かもな、俺脛毛も胸毛もいらないんだよ」
 両方だけでなくとだ、彼は言った。
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