罪と犠牲
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いのか迷っていた。そして、その迷いが命取りとなる。
「水竜の・・・」
右側に回っていたシリル。彼の方が先に、敵に対しても攻撃体勢に入ったかのように見えた。
「そっちか!!」
それに反応し、シリルに意識を向けようとするジルコニス。だが、
「天竜の・・・」
「!!」
反対側からわずかに遅れて、ウェンディが魔法を繰り出そうとしているのが聞こえた。彼は先程一瞬とはいえ少女に意識が向いてしまっていたため、その声を聞き取れてしまい、ウェンディの攻撃も対処しようとした。
「「翼撃!!」」
「がああ!!」
その結果、双方どちらに対しても中途半端になってしまったジルコニス。彼は二人の抜群のコンビネーション攻撃により、地面へと伏せさせられる。
「やったわ!!」
「すごいよシリル〜!!ウェンディ〜!!」
その様子を見ていたシャルルとセシリーが大喜びといった表情で手を取り合う。彼女たちの近くにいたミラジェーンが、なかなか見ることができないシャルルのはしゃぎように思わず笑みを溢していたが、その視線を感じた彼女は急いで隣の茶色の猫の手を振り払っていた。
「いい連携だな」
「あいさー!!」
「ちっちゃい者同士、相手のことがわかるんだね!!」
奈落宮でナツともいい連携を見せたウェンディ。だが、それ以上にシリルとの連携は息があっているように感じたリリー。彼は抜群のコンビネーションを見せた二人を腕組みしながら感嘆の声を漏らし、隣にいる青猫とオレンジの猫耳の少年も同様の反応をしていた。
「氷結」
「やぁ!!」
二人の妖精が戦っている中、こちらでは限りなく年齢の近い蛇姫たちが、群がる小型を次々に撃破していた。
「あっちもあっちですげぇなぁ」
「本当ね」
ヒスイ姫を守るためにアルカディオスと共に彼女の近くに下がっているカミューニとミラジェーンが、シリルとウェンディに負けない連携を見せる彼らに驚きを隠せない。
「レオン様・・・魔法を変えたのでしょうか?」
彼らの隣にいるユキノは、四日目までの対決では見せることがなかったレオンの滅神魔法に目を見開いていた。なんといっても驚かされるのはその威力。他のものの攻撃では何度も繰り出さなければ破壊できない小型を、一撃で、それも複数粉砕しているのである。
「違うよユキちゃん!!あれが本来のレオンだよ!!」
「ゆ・・・ユキちゃん?」
そんな彼女にラウルがそう言う。ただ、彼女は少年にされた呼び方に思わず耳を疑わせており、肝心なところは聞いていなかったようである。
「氷の滅神魔法・・・まさか・・・」
「えぇ。彼があの噂の少年です」
ヒスイ姫を最も近くで守っているアルカディオスは、レオンの使う魔法を見てある噂
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