罪と犠牲
[1/8]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
シリルside
「シリル!!シェリア!!レオン!!」
「ラウもいるよぉ!!」
「ラウルもありがとう」
俺たちの後ろでウェンディが元気な声でそう言う。シェリアに抱かれている彼女は、さっきまでの厳しい表情から一転し、笑顔になっていた。
「ヒュー♪本物のヒーロー登場じゃね?」
一方、よくやく立ち上がったカミューニさんは俺の姿を見て茶化すような口ぶりでそう言う。あの人余裕なんだか無理してんのかわかんないんだよなぁ。茶化すのは恥ずかしいからやめてほしいけど。
「なんでシリルがここにいるの?」
滅竜魔導士である俺がここにいることがどういうことなのかわかっていないウェンディ。俺は彼女に一番分かりやすく説明できるように上空を指さす。
ウェンディは何かな?といった表情で見上げると、そこには二頭のドラゴンが激しくぶつかりあっているのが見えた。
「ナツさんに取られた」
「えぇぇ!?」
今上空で戦っているのは俺が先程まで戦っていたアトラスフレイムとナツさんが俺たちに呼び掛けた時に乗っていたドラゴン。ナツさんはアトラスフレイムの炎を食べるとか言ってたのに、いつの間にか共闘してるよ。一体どうなってるんだ?
「それで、シリルが余ったからウェンディの助けに来たの」
「城だと偉い奴守りながらだから大変かと思ってな」
シェリアとレオンがそう言う。偉い奴って・・・お姫様とかに対して失礼な言い方のような・・・いや、いいんだけど・・・
「ほほぅ。これはこれは・・・」
すると、完全に空気化していたジルコニスが突然現れた俺たちに視線を向けながら、口からヨダレをダラダラと流していた。
「また旨そうな嬢ちゃんらが増えたのぉ」
「・・・」ピクッ
一瞬いつものように突っ込みを入れてしまいそうになった俺は体をピクリと動かしかけて、そこで思い止まった。ジルコニスが言っているのはきっとシェリアのことだ。複数系ぽかったけど、それはラウルやレオンかもしれない。希望は捨てちゃいけない。絶対捨てちゃいけない。
「シリル、また間違えられたな」
「マイドン」
俺の隣に立っているレオンが俺の肩に手を置き、後ろにいるラウルにもそう言われる。
「いやいやいや!、今のはシェリアのことでしょ!?それにもしかしたらレオンやラウルのことかm」
「「「「それはないよ」」」」
俺が哀れみの視線を送ってくる二人に早口で捲し立てていると、レオンとラウルだけでなく、シェリアとウェンディにも突っ込まれてしまった。てかウェンディは俺のことそんな風に見てたのか!?ショック大きいよ!!
「なんじゃ。ずいぶん元気な嬢ちゃんだのぉ」
「嬢ちゃんじゃねぇ!!」
ジルコニスの奴、昔からこんなに口が達者だった
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ