第四十四話
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合流しちゃう?
いやいや、下手なことするとこの男にこのまま首獲られちゃうか……。
とにかく伊達には一旦引いてもらうように連絡を取らないと。このまま戦にでもなったら大変だわ。
とは言っても今の状況、風魔に素性がバレる以上逃がしてくれと言って逃がしてもらえるわけじゃなし、かといって逃げるに逃げられない。
もうここまで首を突っ込んだら、逃げるのも容易な事じゃない。
……ん? 本当にそうだっけ? 確かこの人って……
「ねぇ、アンタ傭兵もやってるのよね。別にあのおじいちゃんに拘って仕えているってわけじゃないのよね」
「『……金さえ貰えれば仕事を引き受けるが』」
「じゃあ、私に雇われてみない? 報酬は奥州に戻ってからってことで」
風魔は何かを考えているようで、ややあって私に目を向ける。
「『期間は』」
「私が奥州に戻るまで」
「『……承知した。だが、俺は安くはないぞ』」
「政宗様に払わせるから大丈夫よ」
払ってくれないと言ったら、手篭めにされかけたこと姉上に暴露するって脅してやればいいんだし。
まだ報告してないんだろうからさ、脅しとしては十分に使えるはず。
「『差し当たってどうする』」
「そうねぇ……とりあえず豊臣が伊達とどう対峙するつもりでいるのかを探らないといけないかな。
とにかく情報が足りない。その辺りを詳しく調べてきて欲しい」
「『……承知』」
ふわりと姿を消した風魔を見届けて、私は溜息をつく。
どうにも面倒なことになりそうだ。負け戦にならないように、ここで手を打っておかなければならないけど、
あとどれくらいで到着するのかも分からない今、迂闊に動くことは出来ない。
政宗様も小十郎も頭が固いから、きちんと納得させられるだけの材料を持っていかないと聞く耳持たないしね。
何食わぬ顔をして北条に雇ってもらおうかしら。戦わないのなら助けてもらった恩だとか適当に言って。
もし伊達とぶつかったら、風魔に頼んで上手く城から逃がしてもらえば良いわけだしね。
そうと決まれば早速行動開始!
おじいちゃんの後を追って、私もまた部屋を後にした。
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