暁 〜小説投稿サイト〜
『夢の中の現実』
『尾行』
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Mじゃなくて受付で全額出してた父さんの姿を発見した時、正直ホッとした。

ATM使い方解らんかったんかな?
それとも引き出し限度額とかあったっけ?
零那は1回で15万以上引き出す事が無かったから、引き出し限度額とか知らんかった。

父さん、全額出してどぉするつもりなんやろ...
お願いやから、ギャンブルとか一瞬で消えるような使い方はせんといて欲しい。
虚しくなる...

父さんが出て来たから尾行する。
亀井サンと一緒やと目立つから別行動での尾行。

刺身包丁は何処に隠してんねやろ。
見た感じでは衣服の違和感とか無いし。
でも、殺人免れたとしても銃刀法やし、何も起こさず帰宅する事を願う。

零那の携帯のバイブが鳴った。
父さんから...

『零那、父さん急に用事が出来たんや。今迄ほんまありがとな!!亀井と留守番シッカリ頼むで!!』

嫌やっ!!
こんなメール!!
絶対行ってしまうやん...

亀井サンに本文転送した。
亀井サンから返信。

『敢えて普段通り返してみ。今の現状一切解ってない感じ、とぼけた感じで』

とぼけた感じ...
父さんに返信した。

『どしたん?急に!御飯は?帰って来るんいつ頃なんの?』

『いつ頃かな。解らんから帰る時メールするわ!
零那、ほんまありがとな!!ほんまに、ほんまに、ありがとな!!』

『なんなん!!サヨナラするみたいな言い方ヤメてや!!今、何処なん?』

『父さん、せなあかんこと出来たんや。ほんまはなんとなく解ってた事なんや...
目を逸らして、見てないフリしてしもた。怖がってしもた父さんが悪かってん。
父さんがせなあかんことやねん』

『父さん、何をせなあかんのん?』

返事は来ん様になった。

フェリー乗り場に来た。
懐かしい。
大阪を出る時、此処でフェリーに乗った。
記憶が鮮明に蘇る。

そんな過去を思い出しつつ、一瞬気を抜いてしまってたら、父さんが案外近くに居てビックリした。
でも、たぶん平気。
父さんと暮らしだしてからの服装は、今迄の人生で着たこと無いデザインの服。
袖が在ってフワフワしてる服。
それにロングスカート。
そんなんが主になったから。
趣味じゃないしどぉでも良いから店員任せに買ったやつ。
間違っても零那のいつもの格好、キャミワンピやキャミ+ミニスカの網タイツ+ピンヒールってのじゃ父さんと生活できんかった。
でも今は尾行中。
だから逆に零那は元々の格好で居る。
バレにくい筈...

父さんを見てる感じ、殺気立ってる気配も無い。
妙に落ち着いてるし、心配無いんかな?



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