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竜のもうひとつの瞳
第九章〜行き倒れて小田原城〜
第四十三話
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の代でこれほど問題が起こるのじゃ! ……これがご先祖様だったら……」

 ありゃぁ……おじいちゃん泣いちゃったよ。泣かせるようなこと言ったかなぁ……いや、言ったか。
そりゃ、豊臣と伊達に挟まれて攻撃受けるなんて聞いたら泣きたくもなるよねぇ。

 「……ところでお前さん、何処に下るつもりだったんじゃ?」

 「伊達に下る予定でした」

 正直に答えた私の肩をがっしりと掴み、おじいちゃんが激しく揺さぶってくる。

 「北条と答えい!! どいつもこいつも豊臣と伊達ばかり支持しおってからに……!!」

 ちょ、止めて! 本当、今食べたの全部出ちゃうから!!

 「氏政様!!」

 慌しく駆け込んで来た家臣がこの光景を見て、呆れながらも止めに入ってくれる。
とりあえず火急の知らせとかで入って来て、おじいちゃんと一緒に部屋を出て行ってしまった。

 はぁ……年寄りの癇癪にはついていけない。

 ついそんなことを思って溜息を吐けば、いなくなったはずの風魔がいつの間にか私の近くに立っている。

 「……調査に行ったんじゃないの?」

 そう訪ねてやっても、風魔は何も言わずに私をじっと見つめるだけだ。

 ……何、一体。

 訝しがっていれば、風魔がゆっくりと口を動かしている。
何かを話しているようだが、声がない。もしかして言葉が出ないのかと唇の動きを見る。

 「『……何の目的があってこの城に潜入した。伊達の人間が』」

 やっぱりこの人声が出ないんだ。読唇術で察しろとは大胆だね。
てか、私が読めなかったらどうするつもりだったんだろう。

 「……流石は伝説の忍。全部分かった上で城に招き入れたわけ」

 これは恐れ入る。自分がいるから敵を忍び込ませても大丈夫だとでも言いたいのか。
それともあちらも何か目的があって忍び込ませているのか。

 どちらにせよ、これは迂闊なことは出来ないな。
する気も無いけど下手なことをやっちゃったら暗殺されそうな予感するもん。

 「伊達に合流すべく、ここまで来たってだけよ。
本当は小田原城の付近に身を潜める予定だったんだけど、婆娑羅の力使い過ぎて空腹で行き倒れてね……
城の中に入ったのは含みはないわ。あのおじいちゃんの好意」

 「『竜の右目の言うことを、易々とは信用出来ない』」

 「そこまで分かってるんなら、私が今どういう身分だってのも調査済みなんでしょ?
言っておくけど、私が今ここにいるっていうのは伊達だって知らないんだから。
“表向きの”竜の右目ですら知らないはずだよ。嘘だと思うんなら調査でもしてみれば?
……というか、無用心じゃない? 何処の誰かも分からない人間をホイホイ城に招いちゃうなんて。
人としては良いけど、この状況じ
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