105章 back number の ≪青い春≫
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もするんだけど。
神道って、仏教が6世紀ころに、日本に伝来する以前からの、
川の神とか山の神とかの、自然界の八百万(やお よろず)の神を信仰したり尊ぶ宗教なんだよね。
自然発生的な、民族的な宗教だから、
理屈っぽいような、堅苦しい教義や教理とかの宗教上の教えは存在しないと言われているんだよね。
まあ、それだけ、世界でも類を見ないような、自由な宗教なんだろうね。
おれが宗教の中でも、神道がわりと好きなのは、そんな自由さと、
あとは、やっぱり『愛』を感じられるからかな。
やっぱり、世界や人類を最終的に救うものは『愛』だろうからね。
本来の愛というものは、人間を自由にするものであるはずだろうからね。
ちょっと、宗教の話題からそれるけど、利奈ちゃん、作家の村上春樹さんってしているでしょう。
村上さんは、小説のテーマ(主題)に、
人間から愛や自由を奪おうとするシステム(制度)を取り上げているらしいんだよ。
システムを壁に例えて『私たちは誰もが、
程度の差はあれ、高くて硬い壁の前に立っています。その壁には名前があります。システムです』
って、エルサレム賞っていうのを受賞したときのスピーチで言っているんですよ。
おれが思うのに、システムには、国家権力とかの政治的なものから、
宗教的なものとか、ごく身近な小さなものまでもふくめたら、数多くいろいろあるんだろうね。
本来は、どんなシステムだって、人間の便利な生活や幸福のために生まれるものなんだろうにね。
それらに、立ち向かって、良くしていくためには、やっぱり、愛や勇気かな。
これじゃあ、まるで、アンパンマンの世界になっちゃうね。
まあ、まじめに言えば、おれたちは、愛の力を信じながら、
音楽とかの芸術活動もしたりしながら、楽しむことも大切にして、
みんなで仲良く力を合わせて、少しでも世の中を良くしてゆきたいよね。
利奈ちゃん、美結ちゃん。あっははは」
3人は、明るく笑った。
「しんちゃん、 back number の ≪青い春≫って、そんなシステムについて、歌っているのかしら?」
美結がそう言った。
「あぁ、≪青い春≫ね。いい歌だよね。清水依与吏さんの才能が爆発しているような、
すばらしいロック・ナンバーだよね。ロック史に残るような名作だね、きっと」
「踊りながら、羽ばたく為のステージで、這いつくばっていても、
踊らされているのも、随分前から分かっていて、それでも、それでも・・・」
利奈が、≪青い春≫を口ずさんだ。
「テレビドラマの『高校入試』の主題歌だったんだよね。
なんでも、入試制度に一石を投じようとする物語だったらしいよね。
おれ、見たかったよ、残念。」
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