ブリーフィング
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「お前の予想はおおよそ正しい。……仲介人は『管理局の意向に従わなければ武力行使も辞さない』という強硬的主張を言い放ち、自分達の世界を軽んじた発言にフェンサリル二国は大激怒。『我々の世界は我々が守る。望まぬ管理を強い、他所から搾取する事を善しとする貴様らに従う義理はない』という事で、断固抵抗する姿勢を見せた。ここからは普通に察せるだろうが、管理局本局とフェンサリルの間で決定的な軋轢が生じて紛争が再び起きた」
「管理局が……そんな脅迫まがいの事をしてたなんて……」
「続けるぞ。ミーミルの魔導師や次元航行艦を倒せる質量兵器開発技術と、ウルズの潤沢なエネルギー資源とそれによる膨大な資金を武器に、彼らは管理局に立ち向かった。最初はフェンサリル側が優勢だったが、半月前……ミーミルの首脳陣がなぜか一斉に消失、指示系統が乱れた。それが致命的な隙を生み出し、管理局は大量の戦力を投入してミーミル首都ノアトゥンを占領したのだ」
「占領……」
「更に付け加えるなら、派遣する局員には真相を伝えないという性質の悪いこともしておる。相手は武装したテロリストグループという嘘の情報を与えて、何の疑問も抱かずフェンサリルの人間に容赦なく魔法をぶっ放す。紛争が起きた理由も一切知らずに、次元世界の平和のためだと思い込んでな」
途端になのはは背筋が寒くなった。もしかしたら自分も知らず知らずのうちに、侵略行為に手を貸していたんじゃないか。倒した相手が実はテロリストではなく、自分達の世界を守ろうとしただけの普通の人達なのではないか。それがもし、まごうことなき事実だとしたら……、
「(私は……私達は、彼らにとって……憎むべき侵略者なの……? 私がやってきたことって、全部管理局に都合が良いことでしかなかったの……!? ま、まさか……私達が頑張ってきたことは、全部無駄だった……!?)」
「……ラジエルは魔導技術を凌駕できる技術と国力があるフェンサリルと穏便な関係でいられるように、管理世界に入るとか武装解除とかは一切求めず、これ以上無益な紛争で犠牲を生み出さないようにあの世界を落ち着かせた。そう、余計な手出しをしなければあの世界は今頃平穏になっていたはずだった。しかし実際はこの有り様だ……自称次元世界の守護者が聞いてあきれる」
「わ、私は……間違っていたの? 私の魔法は……救うどころか奪って――――」
「はい、スト〜ップ」
「はにゃ!?」
ディアーチェの説明を聞くほどネガティブ思考に陥りかけたなのはの両の頬を、突然マキナがつまみ上げた。そのまま彼女はなのはの頬を上下左右にぐにぐに引っ張ったりこねたりふにふにしたりして、弄びまくる。
「おぉ〜、すべすべしてるのにマシュマロのように柔らかいや! これはいいもち肌だ〜♪」
「いふぁいいふぁ
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