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リリなのinボクらの太陽サーガ
ブリーフィング
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られても育てる事は出来ない。だが育てられる者に託す事は出来た……太陽はまだ、沈んでいないのだ。

「しかし写真だけ見せられても、連中の居場所がわからなくてはどうしようもないぞ? 他に何か情報はないのか?」

「一応あるにはある。同時期に次元空間に待機していた連中のものと思われる次元航行艦の航路を分析した所、行き先は第13紛争世界フェンサリルだと判明した。今の次元世界で最も混沌としている場所だからこそ、隠れて何かをするには確かに好都合だろう」

「第13紛争世界フェンサリル……あれ? 紛争? ねぇマキナちゃん、その世界って確か……ラジエルの介入で紛争が収まったんじゃなかったっけ?」

「なのはの疑問は間違っていないよ。フェンサリルには“ウルズ”と“ミーミル”という二つの大国があって、世界統治の主権を巡って長年争い続けていたんだけど、ラジエルが二国間の様々な問題を解決したことによってようやく紛争が終わり、和平調印式の準備を進めて一時期平穏を取り戻していた」

「それにファーヴニルとの戦闘でも、ラジエル防衛陣の方に参加して世界を守る協力をしてくれていた。貴様らも教主殿の友人のエレンから聞いただろう?」

「そうだったよね。じゃあディアーチェ、せっかく収まったはずの紛争が、なんでまた起きてるの?」

「それについてはまず、今の管理世界の状況を知ってもらう必要がある。……マキナの故郷でもある第66管理世界ニダヴェリールが滅んだことで魔導結晶の採掘量が格段に減り、今なお増える需要量に対して供給量が完全に満たせなくなったため管理世界のエネルギー不足が深刻に表れ始めた。そうなると生産品の高騰化などが連鎖的に起きて、各管理世界の市民の不満は経済の管理不行き届きとして管理局に向けられることになる」

「私にはまだ難しいけど、需要と供給のバランスが世界経済を支えているってことはわかるよ。それで経済のバランスが崩れたら、そうさせた政治に不満が向くのは当たり前だよね」

「うむ。それで自らのアイデンティティの喪失を恐れ、問題の解決を急いだ管理局はフェンサリルに管理世界への加入とエネルギー物資の提供を要求した。要は不足分を他の世界から搾り取ろうとしたわけだ」

「え……」

「当然、フェンサリル二国はそれを拒否。しかし管理局は態度を変えずに同じ要求を繰り返し、頭に来たフェンサリル側は紛争を終わらせた貢献者で唯一信頼できるラジエルに仲介してもらおうとしたものの、その矢先にあの人達は行方不明になってしまった。それを好都合に管理局は新たな仲介人を送ったが……その人達は人種差別主義(レイシスト)というか、管理局至上主義に染まり切ったアレな思考をしていた」

「あ、もうこの時点で嫌な予感がするんだけど……もしかして、そういうことなの……?」


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