ブリーフィング
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わかってる、でもやりたいんだ。エレンさん、サルタナさん、サバタお兄ちゃん、そして……なのはに報いるために。皆に救われた私だからこそ、絶対にやり遂げなければならないんだ」
そう言う内にフェイトは紅茶の入ったカップの取っ手を握る力が強くなり、リインが慌てて静止させたことで何とか割らずに済んだ。フェイトもヴィータと同じく思い詰めてるなぁ、とはやては彼女の心情を考えて内心不安になる。
「フェイトちゃん、無茶はせんといてな?」
「状況によるかな。ま、疲れが次の日まで残らない程度には抑えておくよ」
「そっか、それならええんや」
「ところでフェイトちゃん。ちょっと気になったんですけど、出発の時間は大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、リイン。来る前にちゃんと時間に余裕を持ってき…………」
微笑みながら店内の時計を見たフェイトは、一瞬で硬直した。時計が示している時刻は、
15時03分。
「えっと……フェイトちゃん? 顔色がすっごい真っ青なとこ恐縮やけど……フェンサリルに行く次元航行艦が出発する時間はいつや?」
「……じゅ、15時ちょうど……」
「そ、それはつまり……」
「まごうことなき遅刻です!?」
「し、しまったぁ!? つい話し過ぎて完全に遅れちゃった!?」
「ま、まだや!? 3分ぐらいならまだ待ってくれてるやろ!? 急げばまだ間に合うかもしれへん!!」
「多分駄目かもしれない! これから配属される部隊はかなり時間厳守な所だから、きっと先に行っちゃってるよぉ!?」
「だだだだだ大丈夫!? 諦めたら試合終了ですぅ! とにかくその次元航行艦が停泊してるドックはどこですか!?」
「第6ドック! ここから全速力で走れば……いや、足だけソニックフォームを使えば5分ぐらいで行けるはず……!」
「わかった! ここの会計は私が払うから、フェイトちゃんは早よ行きぃ!」
「ごめんはやて! 次会った時にお金返すから!!」
慌ただしく駆けていくフェイトの背に手を振るはやてとリイン。遅刻で怒られるのは間違いないだろうが、せめて次元航行艦には乗り込めることを二人は祈った。そして全速力で第6ドックに向かったフェイトは……、
ウ〜ウ〜!
「ず〜いぶん出てたねぇ〜。罰金は期日までに支払うこと、ローンも可」
本局内で無許可の魔法使用とスピード違反で切符を切られていた。結果、彼女が乗るはずだった次元航行艦は、取り調べに捕まった彼女を置いて先に出発してしまった。
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