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リリなのinボクらの太陽サーガ
ブリーフィング
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新暦67年9月16日、11時24分


ギル・グレアム。マキナと彼の関係はかなり特殊かつ複雑である。彼女の故郷ニダヴェリールを襲った13年前の闇の書事件……その渦中に二人はいた。マキナは当時の闇の書の主であるエックスが父親、グレアムは部下であり友でもあったクライドを犠牲に闇の書を葬った管理局員。この二人は闇の書を挟んで、互いに大切な存在を亡くしている。そしてその事件をきっかけに、マキナの人生は狂ってしまった。管理局の手で人身御供として故郷から引き離されただけでなく、次元世界の人間から放たれた言葉の刃で母を失い、彼女自身は11年間実験漬けの日々を送る羽目になる。そしてサバタに助けられるまで、彼女の時間はずっと止められていた……。

「だから正直に言って、あんたとはリーゼ姉妹共々会いたくなかったよ。状況的に仕方なかったとはいえ、あんたはある意味父さんの仇の一人でもあるんだから」

「それについてはまことに申し訳ない。そこの二人も悪いと思ってるから、勘弁してやってくれないかい?」

「別に今更怒りも憎しみも湧きやしないよ。それでもあんまり長時間顔を合わせていたくないし、さっさと本題に入って話を終わらせよう。……で? 管理局を引退した爺さんとその使い魔が、何の用でわざわざここに来たわけ?」

「それはだね……」

「ちょっと待って、お父様。マキナもその本題に入る前にさぁ……私達に説明する事があるんじゃないの?」

「そうよ。具体的には私達の目の前にいる少年少女のことなんだけど……せめて何がどうなってこの二人がいるのか、大まかでもいいから説明して欲しいわ」

「はぁ……何度も詳しく説明するのは面倒だから、もう早口で大雑把に言うよ? ……実は生きてたなのはが世紀末世界からやって来たジャンゴさんに助けられて私がここにかくまった。以上!」

「確かにすっごく大雑把だけど経緯は大体わかったよ……」

「その分、内容とか事情とか全然わからないけどね。ま、現役引退した私達にはせいぜい若者の未来を見守るか情報提供をするぐらいしかやれる事が無いのよね……」

早口で説明したマキナにリーゼロッテがため息をついて脱力し、リーゼアリアが呆れたように頭に手を当てる。過去の件で色々しがらみはあるが、報復心を克服しているマキナは一応彼女達を憎んではいない。かと言って友好的になりたい訳でもないため、両者が会うとこのように何とも言えない気まずさが漂うのはいつもの事だ。

「さて、疑問には答えたんだから、ちゃっちゃと本題に戻ろう」

「そうだな。では私達が来た理由だが……まずはこれを見てほしい」

そう言ってグレアムが取り出したのは、一枚の写真だった。ディアーチェが手に取って見ると、ふと何かに気づく。

「どこかの海上に大量のクレーン船……
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