第14話 運命の夜・第2夜
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」
京極の言葉に百代は頬を軽く朱に染めて、ヤケクソ気味に逃げるように廊下を走り去っていった。
「ふむ」
残された京極は、右手を顎に当てて考える姿勢を取る。
(まさか川神に脈ありまでのルートを既に刻んでいるとは・・・。流石は衛宮だ中々や――――いや、遅すぎだな。何時もの衛宮ならそれこそ秒速で落としても良さそうなモノなのに、二年以上もの時間を要するとは調子が悪いのか?友よ)
酷い言い様である。
京極は、先程の士郎の背を見送るような姿を心配していた時とは翻って、かなり身勝手かつ乱暴な考察を口には出さずに心中で思った。
五年以上の付き合いをしてきた友人にまでそう言った考察結果を打ち立てる辺り、京極彦一と言う人間は矢張り、冷酷冷静な知的好奇心先行型の残念なイケメンのようだった。
そして走り去って人気のない所まで来た百代は、自問自答中に陥っている。
「――――私と衛宮はそもそも武に対する考え方が対局の位置にいるんだぞ?それなのに好意を持つなんてありえない!だと言うのに京極の奴め〜!」
訂正、自問自答と言うよりも言い訳だった。
「――――確かに私は衛宮の奴を意識している。そこは認めよう。しかしあくまで未知の戦闘力の高さへの興味から出会って、異性としてなんて断じてあり得ん!そうだ。朝迫って来た衛宮の奴が悪いんだ。あいつあんなに細身で服の下からは判りにくいのにあんなに筋肉質なんて聞いてなかったぞ!?そう、あんなに良い体・・・・・・・・・・・・・・・ハッ!?違う違う、絶対に違う!!確かにそれなりに顔もいいし頭もいい、戦闘力も最低でもマスタークラスの実力もあるのだろう。料理も美味しいし、勉強の時も頼りなるが・・・・・・・・・・・・」
百代はそうやって昼休みの間、予鈴が鳴るまで1人言い訳をし続けていった。
−Interlude−
夜。
毎週通り衛宮邸に泊まりに来ていた3人は、夕食後に居間で明後日からの小旅行の計画の最終確認などを和気藹々と話し合うと言う家族団らんのような光景を築いていた。
「神奈川県内だからこそ行った事が無かった訳ですが、矢張り早朝からの方が良いのですか?」
「モッチローン!そうした方が、アッチでいっぱい楽しめるでしょ!」
「落ち着けって、ユキ。それにしても、アルバさんはご一緒出来ないのは心苦しいっすよ」
「事情(行動範囲による制限)があってな。まぁ、今回もお前達で楽しんで来ればいい。精々土産に期待するよ」
当のスカサハは居間から外れて、縁側で涼みんでいる。
この時間何時もはまだ居る大河も用事があって、今宵は珍しく早々に藤村邸へ帰って行った。
そして士郎は台所にてエプロン姿で食器を洗いながら、ある事を考えている。
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