第14話 運命の夜・第2夜
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、如何して昨夜になって急にあんな魔力漏れがするお粗末な結界をしたんですか?」
「・・・・・・・・・・・・(←咀嚼中)。――――そこまでは判らんが、気が緩んだのではなく何かしらの意図を以て故意に及んだと言うのが私的な感想と言うより・・・・・・(←咀嚼中)女の勘だ」
「そうですか」
理由が女の勘と言われてしまえば、士郎としてはこれ以上の質問は是非も無い。
本来の生まれたあの世界では、良くも悪くも女の勘に関わって外れた事など、見た事が無かったからだ。一時期、多くの女性に囲まれて生活していた士郎ならではの論理であった。
「・・・・・・(←咀嚼中)とは言え故意にしろ緩んだにしろ、事態は大きく動いたのだ。正体が魔術師か若しくは別の何かまでは今でも判らんが、近いうちに動きがあるかもしれんからな。夜の探索は今まで以上の装備の準備などを怠るなよ?――――・・・・・・・・・(←咀嚼中)」
「勿論です」
こうして、スカサハとの昨夜の考察はひとまず終了した。
−Interlude−
士郎は登校中に、風間ファミリーならぬ葵ファミリーに遭遇して一緒に行く事になった。
そんな中、小雪はまるで恋人のように自分の片腕を士郎の片腕に絡める様にした。
とは言ってもこれも何時もの事なので、当人である2人共然程気にしている様子はない。
士郎は小雪を甘えん坊の妹の様に思い、小雪は士郎を実に頼り甲斐があり大好きな兄と見ているので、両者に異性と言う感覚は無い。
ただそれを冬馬と準は微笑ましく見ているが、冬馬だけはこの時ばかりは小雪に嫉妬していた。
しかし自分を無理に突き通す訳にはいかない。自分の本心を士郎に知られる訳にはいかない。
今の自分と士郎のこの距離感を壊したくないからだ。
そんな後ろから複雑な思いを抱いている冬馬の気持ちをよそに、小雪はある事に気付く。
「シロ兄、元気ない?」
「ん?あー、ちょっとな」
これを質問してくる相手が違えば士郎は誤魔化すなりしたが、生憎とある程度小雪たちには自分が無理をする人間だと知られているので、変に誤魔化すよりも素直に認めるのだった。
とは言え何が原因で気落ちしているかについて話す事では無い。
それ以前に思い出したくも無い、あんなおぞましい光景など口にするのも憚りたくなるものだった。
故に、それだけは確かだった。
別角度から見れば魔術師のこと故に隠したともいえるが、それは無かった。
ある事情により冬馬達は魔術の事を知り、士郎に尋ねた時があった。
それに驚いた士郎は、最初に誤魔化そうとしたが誤魔化しきれずに仕方なく教えた事があった。
勿論魔術の常識を教えた上で、3人には魔術回路が無いので使えないとも教えたのだ。
士郎としては魔術
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