第14話 運命の夜・第2夜
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翌日。
百代は士郎の鍛錬に興味を出したのか、自分の最低限の鍛錬をいつもより早く、そして雑に熟してから衛宮邸の敷地内にある道場に行き、中を覗いた。
「ここか・・・なっ!?」
百代は道場内で鍛錬をしている士郎を見て驚いた。
別に士郎の鍛錬内容を見て驚いたのではない。
確かに士郎の鍛錬方法は凄まじいが、百代が着眼したのは其処では無い。
百代が驚いたのは士郎の鍛え抜かれた肉体だ。
士郎は着やせするタイプで、夏服でも見える範囲が限られる部位でも、そこそこ鍛えてある程度にしか見えない。
そして何よりも水泳時は自意識過剰と言う事ではないが、自分の体を見られたら周りを怖がらせるのではないかと勝手に考えた士郎は、気でコーティングする事により、そこそこ鍛えている程度にしか見えない様、偽装し続けて来たのだ。
百代が、士郎は実は強いのではないかと疑った切っ掛けは弓道部部長でありクラスメイトの弓子からの話で出て来る弓術の腕であり、決して士郎の鋼を纏い着ている様な肉体を見た判断では無いのだ。
つまり、彼女は士郎の本来の鍛えぬかれた体を見たのは、今日が初めてだった。
しかもその衝撃度たるや、予想外な程の衝撃度の様だったらしく、百代は頬を軽く赤く染めて見惚れてしまっていた。少なくとも普段の彼女らしくない位には。
「ん?もう鍛錬が済んだのか」
自分に視線を送ってくる百代居気付いた士郎は、一旦鍛錬を辞めて百代に近づいて行った。
そんな士郎に、百代はハッとして後ずさる。
「んな!?上半身裸姿で近づいてくる奴があるか!」
「・・・・・・悪かったよ。けど、川神は見慣れてるんじゃないか?男の半裸なんて」
「っ・・・・・・・・・当然見慣れてるさ!けどマナーはマナーだろ!?」
百代に指摘された士郎は、確かになと謝罪してから鍛錬に戻った。
そして指摘した当人と言えば、何故か困惑していた。
(衛宮の言う通りだ。如何して私は上半身半裸で近づいてきたとはいえ、衛宮にあんな風に当たったんだ?)
自分の先程のリアクションに、百代は自分自身の事なのに困惑し続けていた。
因みにその事を引きずって、今日も五百円だった。
−Interlude−
百代が川神院に戻ってから少しして、スカサハが朝食を食べに来たので昨夜の事で話をしている。
「――――ゴーストの数に精度と言い、相当な妖術だな。現代の魔術師では特化型や大魔術師クラスでなければ行使不可能なレベルさ」
そのままスカサハは、最初こそは戸惑ったが今では好物となっている納豆を、未だ温かいご飯と一緒に口にかき込んだ。
「そんなスペシャリストが師匠の制限と言う理由あれど、今までほとんど所在を嗅ぎ付かせなかったにも拘らず
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