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寒い冬を越え、一刀たちは暖かくなってきた日差しと共に、のどかな山の中を散策がてら歩いていた。
目的は、自分達以外の人を見つけ出すこと。
欲を言えば町や村を見つけたかったが、余計な希望は抱かずに歩き続ける。
一刀は子供の体力を馬鹿にはしていなかった。
それはこれまで一緒に生活していたことで完全に理解させられたことでもある。
ただ、年長者としての威厳を保つため、慣れない道で足を痛めながらも、弱いところを見せないようについていく。
日が真上に差し掛かった頃。
潮の気配が濃厚な空気を風が運んできた。
一刀たちは一旦休憩として、その場へ各々座り込む。
「父さま。近くに人はいないみたいです」
「こっちにもいませんでした〜」
「紗沙と悠生ありがとう」
休憩と同時に現れた2人の少女に対して、一刀は労うように礼を言って頭を撫でる。
2人の身なりは他の面々と一緒ではあったが、何故か褌を愛用しているのが一刀には理解できなかった。
それを指摘すると、顔を真っ赤に染めてポカポカと叩いてくる姿に、一刀は微笑ましく笑いかけた。
休憩を挟んで再び東へ向かう。
そして、目的の海へと辿り着いた。
「おっきな川ねぇ」
「これは海っていうんだよ」
「海?」
「雪菜は聞いたことないのかい?」
「手合わせばかりしてたから分からないな〜。お父様にゆっくり教えてほしいなぁ〜」
一刀の手を自分の手と絡ませて引っ付いてくる雪菜に、一刀は優しく教える。
それを見ていた他の面々も、一刀の元に集まり、一刀が語る話に耳を傾けていた。
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