アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第十九話 行末
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
避し、膝のばねを使って突きを放とうとしたが、それよりも早くソレイユの長刀が今度は右薙に払われた。
とっさに突きを放つことを中断し、槍で受け止める。しかし、それが決定的な隙となってしまった。
その隙を逃すほどソレイユは甘くなく、左手の刀で突きを放つ。それを横に転がるようにして避けるが、体勢が崩れたところを長刀の袈裟切りが襲い掛かる。それを何とか体勢を立て直し槍で防ぐ。しかし、反撃に出ることは不可能だった。
先ほどとは真逆の攻防が繰り広げられていく。攻めるソレイユ。守るシリウス。
シリウスの防御を崩さんとばかりに攻撃を仕掛けていくソレイユだが、なかなか崩すことができないでいた。
二刀と槍が重なり合い、再び重なり合い、また重なり合ったところでシリウスの動きに変化があった。
長刀が槍に触れ合う前に身を引き、力を後方へ流すことによってソレイユの体勢を崩させた。しかし、追撃をすることなく距離を開ける。
呼吸を整えるシリウスと体勢を整えるソレイユ。
すると、ソレイユは二刀を鞘に納め居合の構えをとった。対して、シリウスは突きの構えを取っている。
にらみ合うソレイユとシリウス。
静まり返った世界に一陣の風が吹いた。
その風が吹き終わるのと同時にソレイユが地面を蹴ろうとしたが、それよりも一瞬早くシリウスが突きを放った。
ソレイユが地面を蹴る瞬間を狙ったため、シリウスはソレイユの回避が不可能と考えた。
確かに、地面を前に蹴ろうとしたところに進もうとした方向から攻撃が来たのなら躱すことはまず不可能だろう。
そう、前に進もうとするのならば、である。
「っ!?」
この瞬間、シリウスは初めて驚かされた。ソレイユは前に進んだのではなく後ろに後退していた。槍の矛先がぎりぎり当たらないようにして後退していたのである。
必殺の一撃を放ったために腕を限界まで伸ばしてしまっている。予想外のことに驚き、反射的に槍を引き戻したところでソレイユに懐に入られてしまった。
「どんなに突きが凄かろうと、一度伸ばした腕は引かねば突けないのが物の道理だ」
最後の最後で勝ちを拾うソレイユの勝負強さが勝敗を分けた。ソレイユが長刀を抜刀し、シリウスの首へ迫る。その抜刀は神速と言っても過言ではなく、懐に入られた状態では防ぐこともかなわない。
死を覚悟するシリウスだったが想像した衝撃は来なかった。
「・・・やっぱりさ、簡単に決着をつけるのは勿体ないと思うんだよ」
首筋ギリギリで長刀は止められていた。それを疑問に思うシリウスにソレイユは立て続けに言った。
「決着つけるなら、現実でもっと腕を磨いてからにしようぜ。今ここで決着をつけるには早すぎる」
もう闘う気がないというように抜刀したばかりの長刀を鞘に納める。それを呆然と見てい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ