アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第十九話 行末
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
月がきれいに輝く夜、その場所には金属同士がぶつかる甲高い音が絶え間なく鳴り響いていた。
シリウスの槍から放たれる高速の突きをソレイユは刀でいなし反撃していくが、シリウスの見事な槍さばきによって受け流される。そのわずかな隙を逃さずに突きを放つが、今度はソレイユの刀に受け流される。
単純なパリィ合戦だが、意識を集中しなければ、相対する両者の間に謎の閃光が立て続けに弾けているようにしか見えない。それほど高速なパリィ合戦。
しかし、なかなか決定打にならないどころか、両者のHPは一ドットも削れていない。それほどまでにソレイユとシリウスの実力は拮抗している。しかし・・・。
このままではおされる、と考えたソレイユはもう片方の刀の柄を逆手に握り、シリウスの突きに合わせて抜刀した。槍の矛先が刀の柄頭で弾かれ抜刀の勢いに、大きく仰け反ってしまうシリウス。ソレイユはここぞとばかりに斬り込んでいくが、シリウスは地面を後方に蹴り、後退しながら体制を整えソレイユ長刀を槍で受ける。
ここに来て初めての鍔迫り合いだったが、すかさず、ソレイユの逆手に持った刀が閃く。
月の光を受け、闇夜を照らすかの如き剣閃はシリウスの首に吸い込まれていくが、鍔迫り合っていた長刀を急にいなされ、体勢を崩してしまいその剣閃がシリウスに届くことはなかった。
体勢を崩したシリウスは槍を薙ぎ払い追撃をかけるが、ソレイユは地面を強く蹴ることで距離をとる。地面を蹴り加速をつけて放たれる突きをソレイユは半身になって躱すが、それだけでは終わらなかった。まるでバトンを操っているとしか思えないような槍さばきでソレイユに追撃をかけていく。
回転させながら払われる横薙に隙を狙って放たれる突き。それだけでソレイユは守勢にならざるを得なかった。
攻めるシリウス。守るソレイユ。
斬り結ぶたびに火花が散り、甲高い金属音が響き渡る。
首を狙ってくる突きを刀でいなし長刀で反撃していくが、槍を回転させ石突きで長刀をいなしていく。
月夜の中でソレイユの二刀が弧を描き、シリウスの槍が線を描く様は形容しがたい美しさがあった。
ソレイユの呼吸の隙をついた槍が再び襲い掛かるが、それに臆することなく果敢に前に出ていく。ソレイユは長刀で斬りかかるが、シリウスはそれを無理やり槍で防ぐ。そこへ逆手に持っていた刀がシリウスに襲いかかる。
体制が整わないため槍で防ぐことが叶わないことを瞬時に悟り、地面を蹴り後退しようとしたが、ソレイユがそれを許さなかった。
逆手に持っていた刀を順手に持ち替え、シリウスの追撃に出た。地面を蹴り距離を詰め、その勢いを利用して順手に持ち替えた刀で突きを放つ。
ギリギリのところでパリィに成功するが、続く第二撃が襲い掛かった。
長刀を左薙に払われるが、それをしゃがむことで回
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ