2話
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し、私の力じゃこの子を担いで外に出ることもできない。そもそもどうやって外に出るかも分からない!!
「あぁ〜もう!!どうしたら良いの!?」
「う……あ」
「!?」
私が頭を抱えて八つ当たり気味に声をあげたら、男の子が意識を取り戻したのだ。
「う……あ」
……生きて、いる?
俺は、重いまぶたをうっすらと開ける。それだけの行為すらひどく億劫だった。身体は……動かない。仕方なく目線だけを動かし、周りを確認する。
此処は、何処だ?
俺は確か、町で人造人間達と闘っていたはず。
だが、此処は森の中だ。いや、ただの森じゃない。ひどく幻想的な、神聖ささえ感じる場所だ。
「あ、あの!……大丈夫!?」
声がした方に目を向けると、特徴的な髪型をした濃いピンク髮の女の子がいた。……この子が俺を助けくれたのか?
「た、頼みがある……お、俺の腰のところにある巾着の中に、豆が……入っているから、それを……た、食べさせてほしい」
「ええ!?こ、こんな時に何言ってるの!?」
……まあ、気持ちはわかる。こんな大怪我した人間が、豆食わせろと言っているんだ。頭おかしいと思われても仕方がない。だけど、食べないと俺が死ぬ。
「……た、頼むッ!」
「わ、分かったよ」
そう言って彼女は、腰の巾着袋から『仙豆』を取りだし、俺に食べさせてくれた。
「んぐ……ふぅ」
俺は仙豆を呑み込む。効果はすぐに現れた。身体中にあった傷が無くなり、体力も全開。気の量も以前より増えている様に感じる。俺は体を起こし、立ち上がる。
「……え?あ、あれ?」
目の前の彼女は、立ち上がった俺を見て呆然としている。
「ありがとう。助かったよ」
「ど、どういたしまして……えっと、怪我は?」
「治ったよ」
「え?……えええェェ〜〜!!」
急に立ち上がった俺を見て戸惑い、治ったことを告げると彼女はすごく驚いてた。
「さっきの豆は仙豆と言って、どんな怪我でもすぐに治る優れものなんだ」
本当に仙豆には世話になっている。これが無かったら、人造人間との闘いで何回死んでいたか分かったものじゃない。
「へえ〜、そうなんだ!すごいんだね!!」
仙豆の説明を聞いて、彼女は興奮した様に目をキラキラさせていた。
「でも、良かったぁ〜。元気になって」
俺の怪我が完全に治ったと知り、彼女は胸をなでおろした。
「ありがとう。君のおかげで助かったよ」
俺は彼女に再度お礼を言い、頭を下げた。
「わわっ!!い、良いよ。私、何も出来無かったし」
「そんな事はないさ。君が仙豆を食べさせてくれなかったら本当に危なかった。改めて礼を言うよ、ありがとう」
彼女は否定しているが、指一本動かせない状態であの
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