機動戦艦ナデシコ
1254話
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な」
「……貴方、女を敵に回したわよ」
「そうです、敵に回しましたよ」
「……敵に回したらしいです」
実際、俺の場合は食った物が魔力として吸収されてしまう以上、一般的な意味で太るという事はない。
そもそも、太れるのか?
身体は10前後、10代半ば、20代といった風に大きさを変えられるけど。
「そう言われても、これは体質だからしょうがない。……で、そっちは? 俺の名前は知ってると思うから、自己紹介は省略するけど」
羨ましげ、あるいは恨めしげな視線を向けてくる3人……いや、ルリは殆ど表情が変わってないので、残り2人の視線を受け流しながら、三つ編みの女に尋ねる。
「あ、自己紹介がまだでしたね。私はメグミ・レイナードって言います。よろしくお願いします」
「ああ。まぁ、ナデシコに雇われる事になったら、よろしく頼む」
何だか随分と明るいな。
素の性格なのか?
「それより……ねぇ、プロスさん。この人って結局どういう扱いになるの? 元々ネルガルで雇ってたってのは嘘なんでしょ?」
「あー、それは取りあえず現在不明ですね。この後会社の方に連絡して、それでどうするか決まると思いますから」
俺の事をそんなに簡単に口にしてもいいのか? そうも思ったが、そもそも俺と通信をした時にブリッジにいたのであれば、それを隠す必要もないという事か。
……まぁ、食堂のような場所でそれを言うのはどうかと思うけど。
いや、もしかして何らかの理由で外に通信とかが出来ないようになっているとか?
その辺の事情に関しては、ナデシコに正式に所属する事になってから調べていけばいずれ分かるか。
「ふーん。ね、木星蜥蜴を簡単に倒してたけど、どこでそんなに強くなったの?」
胸元を大きく開けた服で、胸の谷間を見せつけるようにして尋ねるハルカ。
有り触れた色仕掛けではあるが、ハルカのような美人が、それも普通よりも戦闘力の高い胸を見せつけると破壊力は高い。
事実、俺の近くにいるゴートは頬を真っ赤にしているし。
けど……レモン達で色気に対する耐性は十分についている俺に、それは通用しない。
「さて、どうだろうな。男には色々と謎があった方がそれらしいだろ?」
「あら」
自分でも色仕掛けが失敗したのを理解したんだろう。少し不服そうな表情を俺へと向けてくる。
もしかして、実はプロスペクターが仕掛けさせた色仕掛けだったりしないだろうな?
そんな風に考えながら、カツ丼とチャーシュー麺を口へと運んでいく。
「……へぇ」
カツ丼は、出し汁で煮込んで卵とじにしているにも関わらず、まだカツにサクリとした食感が残っている。
それでいながら、きちんと衣も出汁を吸っており、しっとりとした食感も楽しめた。
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