第二百四十四話 屋島の合戦その七
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「そしてじゃ」
「その大砲で、ですな」
「鉄甲船の大砲で」
「敵を撃ちますか」
「そうせよ」
まさにというのだ。
「ではよいな」
「これまでは二隻でしたが」
「どれだけ出されますか」
「ここは」
「あるだけじゃ」
これが九鬼の采配だった。
「よいな」
「全ての鉄甲船をですか」
「それを出して」
「そして、ですか」
「異国の海賊達を退けますか」
「そうせよ、よいな」
こい言ってだ、実際にだった。
九鬼は今率いている鉄甲船を全て出した、それは織田家が持っている全ての鉄甲船だった。それを出してだった。
砲を撃たせた、それでだった。
異国の船を撃っていった、するとだった。
明の船も南蛮の船もだ、次々に吹き飛び海に沈んでいった、それを見てだった。
水軍にいる元親は彼の家臣達に言った。
「やはり鉄甲船は違うな」
「ですな」
「強さが違います」
「南蛮の船にも負けておりませぬ」
「どれだけ出てもです」
「吹き飛ばせます」
その大砲で、というのだ。
「これはよいですな」
「一隻でもかなりですが」
「それがこれだけになりますと」
「三十隻になりますと」
それこそというのだ。
「まさにです」
「龍がいるが如くですな」
「これだけの攻撃になり」
「魔界衆の水軍も」
「うむ、これだけの敵でもな」
三十隻の鉄甲船があればというのだ。
「勝てるぞ」
「ですな、しかし」
ここでだ、吉良が元親に言って来た。
「敵の動きですが」
「動きがよい者も多いが」
「その動きがよい者達もです」
その彼等もというのだ。
「戦の動きはしていても」
「軍勢の動きではないな」
「賊の動きです」
それだというのだ。
「海賊の」
「うむ、獲物を狙うな」
「少数で戦うものです」
「多くを相手にするものではない」
「だからですな」
「軍勢を相手にする戦いでないからな」
だからだというのだ。
「これは勝てる」
「そうじゃな」
「はい、勝てます」
こう話してだ、そしてだった。
水軍同士の戦はかなり順調に進んでいた、そして。
魔界衆の軍勢はだ、ここで福原の街に入った。信長はその状況を見てそうしてだった。ここで確かな声で言った。
「魔界衆はあの街を盾にして戦う」
「はい、そうしてですな」
「高所にいる、ですな」
「軍勢も使う」
「そうして我等を攻めてきますな」
「間違いない」
まさにというのだ。
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