第3章 リーザス陥落
第82話 義勇兵を求めて
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ない為に、全面的に前に出る事はないが、正面衝突となれば話は別だろう。
その絶対的な強さ、そして 人柄も相余り、最大限に信頼している部下たちがいるのだ。
だが、トーマは己が最強などとは現在では思ってもない。
「………」
思い返すのは、ヘルマンの首都 ラング・バウでの事だった。
それは、いつもの様に 軍務を終えた後に、コレクションにしていた武具を手入れを施していた時の事だ。
『トーマ』
『……ハンティか』
『あいかわらず、壮観だねぇ。この部屋は』
いつの間にか部屋の中へと入ってきた者がいた。
その者の事は よく知っている。パットン皇子の乳母にして守役、色々と世話係も考えたら、一体幾つの役職があるか判らない現評議員であるハンティ・カラーだ。
トーマと彼女は良き友であり、パットンを鍛えていたトーマから考えれば、母親がハンティであり、父親がトーマ。そんな信頼関係もあったのだ。
『ヒューは、《不知火》は使いこなせてるかい?』
『いや、まだまだ、と言った所だろうな。あの刀を扱えるだけで、それだけでも素養は十分。……筋が良い。だが、それでもまだまだ未熟だ。精進が足らん』
『手厳しいねぇ。あれ持ってるだけでも、武人としては完成されている、って言ってもおかしくないのに』
『今のままで満足して貰うのは困る。……あれには、これからのヘルマンを。皇子の片腕となってもらわねばならんのでな』
『アリトレス、ヒュー。それに まぁ 今はさんざんバカにしてるけど、ロレックス、とかか。なかなかに豪華な顔ぶれなんだけど、肝心のあんのバカがしっかりしないとなぁ……』
ハンティはため息を吐いてしまっていた。
現在、ヘルマンが抱えている問題は山祇なのだ。……それは内部によるものも大きい。
これに関しては後々に明かされていく事だろう。
『ハンティ。それよりも、主の同士たちが 攫われた、と言う情報を耳にしたが、大丈夫だったのか?』
『おっ!? そうだったそうだった』
ハンティは思い出したかの様に頷くと、笑みを見せていた。それだけでわかる。無事だった、と言う事が。だが、それ以上に何かを感じた。
『面白い男にあったんだ。……あんたの耳にも入れておきたくてね』
『……ほう』
その日、若い世代、次の世代がが育ってきている事を実感した。
……時代のうねりも同時に。
トーマは、再び熟考する。
ハンティの言葉が何故か、今になって頭の中によぎるのが気になった様だ。
「…………ふ」
次世代の強者と相見えるこの戦。
現在、兵を率いている大将である故に、戦闘を楽しむ
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