第3章 リーザス陥落
第82話 義勇兵を求めて
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返してきたか……!」
侵略者の自覚は勿論あった。欺かれる可能性事態は、常に想定していた。だが、ヘルマン軍が再来した場合を考えれば、あの時点では、そこまで思い立ったことはしない、と読んでいたのだが、読み違えてしまったのだ。
「(シルサブンにとっても、賭けだっただろうが……、くそっ! 必ず後悔させてやる……!)」
「ジオに置いた兵士が、大量のうし車が移動するのを見ていたと言っていたのですが……」
唖然とする伝令兵。
だが、その手配からして全てが擬態だった、と言う事はもう間違いないだろう。用意周到なやり口、だと言う事だ。
「……みずみず、ジオを捨てたか。これならば、ジオで籠城をしていた方が……」
晴れ渡る天を仰ぐガイヤス。ヘルマンの空とは大分違うこの空を見上げながら、悔しさを募らせた。……憎い程の青空、と言えるだろう。
だが。
「………いや」
その青空に影が差した。トーマ将軍だ。
「あのままでは、押し込まれていただろう。こちら側と向こう側とは、士気が違った故に」
「トーマ様」
「そして、おそらくは洗脳が解けたバレス・プロヴァンス将軍が指揮を執っている、と考えていたが、どうやらやり口からして違う。……あれだけの軍をここまで動かすとは、な。世界は広い。傑物がまだおったわ。指揮系統もそうだが、個々の戦闘力においても」
「その様な事を……。まともに戦えば、負ける事など……」
「そこまでを整えるのも戦よ。……物資と兵の状況は?」
「正直、あまり良くはありません。ここで補給と休息を、と考えてましたので……」
「……………」
しばしの間、トーマは黙考する。
その視線は、遠く パットンのいるリーザス城へと注がれていた。
「……よし、ならば。一晩休む。明朝、すぐに移動だ」
「っ……! オクを捨てるのですか? しかし、リーザス領土内に踏み込まれる事に……」
「儂らには大した意味はない。……何より、この街は対して大きくはない。体勢の立て直しにも捗るまい」
「それは、そうですが……」
ガイヤスは、トーマの真意を測り兼ねていたのだが、それよりも信頼が勝った様だ。
「では、ノースに行かれますか? それともミネバ隊の駐屯するサウスに……」
「いや、その両方だ」
「!!」
そして、ヘルマン軍は 迅速な早さで移動を開始した。
リーザス側に動きを、その情報を掴まれる前に撤退を。退却する時に、狙われでもすれば、勢いのままに 更に押しきられてしまう可能性が捨てきれない。
この部隊は、現行人類最強と称される男が率いている。
そして、何よりも、洗脳があったとは言え、一度 リーザス場内でリーザス最強を退けている場面をも見ているのだ。指揮をとらなければなら
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