第3章 リーザス陥落
第82話 義勇兵を求めて
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……。
「はぁ。オクの街ならまだしも、リーザス領土であるサウスやノースに逃げたんだ。リーザス側に本体もいるだろうし、支援もしやすいだろう。猪突猛進に攻めるのは今回は分が悪いだろ。オレはしんどいから、しっかりと準備していきたいだけだ。それに、いろんな意味で負けたくないんなら、丁度良いじゃないか」
「む……、戦闘狂の癖に。珍しいではないか。……ただでさえむさ苦しい相手だと言うのに、それでは仕様がないではないではないか!!」
「……オレに怒るな」
「(……やっぱり、ユーリさんの言葉なら、しっかりと訊いてます……、ランス様。本当に信頼してるのが、よく分かります……)」
2人のやり取りを見ていたシィルは、微笑ましそうに見守っていた。
自分勝手なガキ大将ランスが、強引なのはあまり変わらないが、この中で唯一意見をしっかりと聞いているのは、ユーリだけだ。
戦闘面に関しては、リックや清十郎の話も訊くが、ユーリはそれ以上だと思える。そんな2人を見ていて シィルは更に笑う。
そんな笑顔が何処となくムカつくから、という理由でランスはシィルを殴る。
「ひんひん……」
「女の子に暴力振るってんじゃないわよ」
「まぁー酷いわなぁ〜?(テレ隠しだろうけど……)」
「炎の矢」
「うぎゃちゃぁぁぁぁぁ!!!」
シィルを守る為に、立ち上がる女性陣だった。
それでも、ランスが照れてしまって、それを隠す為の暴力。 皆判っている。それでも 炎を飛ばすのをやめないのは……ランスだから、と言う事だった。
そして、解放軍は 一先ず、ノースやサウスは別として、情報を元にオクの街まで侵攻を果たした。
そこには、情報の通り 蛻の殻であり駐留した形跡はあるものの、兵士の姿はどこにもなかったのだった。
――それは、数日前の出来事。
〜オクの街〜
ヘルマン軍は、ジオの市長 ジルサブンの言う通り オクの街にまで撤退をしたのだが、ここで予想外のできごとに見舞われていたのだ。
「だめです……、それらしいものは豆粒一つありません……」
「くっ……!! どういうことだ! シルサブンめ! 物資を置いたなどと……ッ!!」
そう、この場所にまで撤退をした理由の一つに、シルサブンの物資をオクの街へと送った、と言う進言を訊いたからだった。それを信じて、撤退して オクの街に来てみたらこの有様。物資のぶの字も存在しなかったのだ。
だからこそ、常の冷静さを打ち捨てて、ガイヤスが市壁を殴打していた。
強行軍の続くヘルマン軍は、単独で打ち捨てられる形となってしまったのだ。
「やってくれる……! ここで手の平を
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